ロシア語概説:数詞

имя числительное

ロシア語における数詞および数字にかんする単語は以下のとおり(ただし、名詞・副詞はすべてを網羅しているわけではない)。

数詞(狭義の)形容詞名詞副詞
個数詞集合数詞順序数詞数字〜個でひとつのもの〜分の1〜回〜倍
0нулево́й / нолево́йну́ль / но́ль
1оди́нпе́рвыйедини́чный
одино́чный
одино́кий
едини́цаодино́чкаодна́ждыоди́ножды
2два́дво́евторо́йдвойно́йдво́йкапа́раполови́надва́жды
3три́тро́етре́тийтройно́йтро́йкатройни́ктре́тьтри́жды
4четы́рече́тверочетвёртыйчетверно́йчетвёркачетвери́кче́твертьчеты́режды
5пя́тьпя́теропя́тыйпятерно́йпятёркапятери́кпя́тью
6ше́стьше́стерошесто́йшестерно́йшестёркашестери́кше́стью
7се́мьсе́мероседьмо́йсемери́чныйсемёркасемери́ксе́мью
8во́семьво́сьмеровосьмо́йвосьмери́чныйвосьмёркавосьмери́кво́семью
9де́вятьде́вятеродевя́тыйдевя́ткадевятери́кде́вятью
10де́сятьде́сятеродеся́тыйдесятери́чныйдеся́ткадесятери́к / деся́токде́сятью
11оди́ннадцатьоди́ннадцатый
12двена́дцатьдвена́дцатый
13трина́дцатьтрина́дцатый
14четы́рнадцатьчеты́рнадцатый
15пятна́дцатьпятна́дцатый
16шестна́дцатьшестна́дцатый
17семна́дцатьсемна́дцатый
18восемна́дцатьвосемна́дцатый
19девятна́дцатьдевятна́дцатый
20два́дцатьдвадца́тыйдва́дцатью
30три́дцатьтридца́тыйтри́дцатью
40со́роксороково́й
50пятьдеся́тпятидеся́тый
60шестьдеся́тшестидеся́тый
70се́мьдесятсемидеся́тый
80во́семьдесятвосьмидеся́тый
90девяно́стодевяно́стый
100сто́со́тыйсо́тня
200две́стидвухсо́тый
300три́статрёхсо́тый
400четы́рестачетырёхсо́тый
500пятьсо́тпятисо́тый
600шестьсо́тшестисо́тый
700семьсо́тсемисо́тый
800восемьсо́твосьмисо́тый
900девятьсо́тдевятисо́тый
1.5полтора́
150полтора́ста
両方о́ба
指示сто́лько
疑問ско́лько
不定ма́ло、нема́ло
мно́го、немно́го
не́сколько
ско́лько-нибудь
ско́лько-то
сто́лько-то
ты́сячныйты́сяча
百万миллио́нныймиллио́н
十億миллиа́рдныймиллиа́рд
биллио́нныйбиллио́н
一兆триллио́нныйтриллио́н

 なお、この分類には異説もある。たとえば科学アカデミー『現代ロシア語小便覧』(2010)は один を形容詞に分類し、指示・疑問・不定数詞を «不定数詞» として個数詞から独立させている。

 ロシア語では、数詞の基礎となるのは以上ですべてである。あとはこの組み合わせで、すべての個数詞、順序数詞、分数詞をつくる。組み合わせてつくられた個数詞・順序数詞を «合成数詞» と呼ぶ。

 1 000、1 000 000、1 000 000 000 と、ロシア語でも3桁ごとに新たな単語がつくられるが、これらは数詞ではなく名詞である(ただし日本で出ている文法書では個数詞として扱うものが多い)。
 ちなみに、100 も元々は名詞であった。двести は два + сто(双数生格)、триста と четыреста はともに три/четыре + сто(単数生格)、пятьсот 以降は пять + сто(複数生格)でつくられている。сто の複数形(らしきもの)が存在しているが(сот、стам、стами、стах)、これも名詞だった頃の名残りである。

数詞の分類

 科学アカデミー版『ロシア語文法』は数詞を次のように分類する。

 この場合順序数詞は形容詞に分類されているが、日本の文法書などでは次のように分類されることが多い。

 個数詞と順序数詞は、次のように分類できる。

 学習上は、単純数詞と複合数詞を区別する意味はない。ただし個数詞の格変化については、単純数詞と複合数詞Aではそれぞれ語尾のみが変化するのに対して、複合数詞Bでは少々特殊な格変化をする。すなわち、これらの複合数詞を構成する単純数詞それぞれが格変化をする。
 合成数詞については、個数詞順序数詞それぞれの項で詳述する。

 なお、以下の説明は数詞についての知識を前提とする。以下読み進む前に個数詞順序数詞等個々のページを読んでいただきたい。

助数詞

 日本語では、数詞と名詞を直接結ぶことは少ない。基本的には、数詞に助数詞をつけて、さらに格助詞「の」を用いて名詞と結合させる。「3人の男」、「1羽のウサギ」、「6冊の本」等々。あるいは、「名詞+数詞+助数詞」の形になる。「イカ2杯」、「ビール瓶5本」、「牛8頭」。場合によっては「数詞+助数詞」を代名詞的、副詞的に用いる。「ここで一句」、「一献酌み交わす」、「ご飯を2膳用意する」、「花が1輪咲いている」。
 ロシア語には、文法上、助数詞は存在しない。しかし、名詞が助数詞的に用いられることが少なくない。中でも覚えておくに値するものは次のようなものであろう(常識的なものもあるが)。

個数詞との結合において特殊な形をとる名詞

человек

 「人」という意味では、次のように格変化する。

単数複数
челове́клю́ди
челове́калюде́й
челове́кулю́дям
челове́калюде́й
челове́комлюдьми́
челове́келю́дях

 しかし個数詞との結合においては、次の形が用いられる。言うまでもないが、この場合の個数詞とは два、три... 以上である(один は除く)。

単数複数
челове́качелове́к
челове́кам
челове́к
челове́ками
челове́ках

год

 個数詞と結合する場合、複数生格は годо́в ではなく ле́т となる。 два́дцать ле́т ⇔ лю́ди двадца́тых годо́в「20代の人々」

час

 個数詞と結合する場合、単数生格は ча́са ではなく часа́ となる。 два́ часа́ ⇔ от ча́са до трёх「1時から3時まで」

個数詞との結合において特殊な形を要求する前置詞

 по は名詞の与格と結合して「〜づつ」という意味になる。ゆえに個数詞と結合すると「1つづつ」、「2日づつ」、「3台づつ」、「4冊づつ」等々の表現となる。
 ところが個数詞との結合においては、与格ではなく特殊な格を支配する。

 しかもこの場合、個数詞と結合する形容詞・名詞は、常に生格(2, 3, 4 は単、それ以外は複)。なお、1の場合のみは例外で、必ず単数与格。

 さらにアクセントの位置も特殊(ただし名詞が続く場合には通常の位置でも良い)。

数詞の使い分け

時間

 単純に時間を数える場合、個数詞+век/год/месяц/неделя/день/час/минута/секунда 等々。

年齢

 年齢を言う場合、原則として数詞が主語となり、年齢の持ち主は与格で示される。

数字の書き方

 必ずしも絶対的なものではないが、一般的に次のような規則により書き分けられる。

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最終更新日 23 05 2013

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