Е33:II 式 13
проси́ть(不完) ⇔ попроси́ть(完)
- у+生格に対格・生格を求める
- 対格に о+前置格・動詞不定形・従属文を頼む
※про́сьба(女性名詞)お願い・頼み
※вопро́с(男性名詞)質問・疑問、問題
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | прошу́ | проси́л | |
女 | проси́ла | |||
ты | 男 | про́сишь | проси́л | проси́ |
女 | проси́ла | |||
он | 男性名詞 | про́сит | проси́л | ||
она | 女性名詞 | проси́ла | |||
оно | 中性名詞 | проси́ло | |||
мы | про́сим | проси́ли | ||
вы | про́сите | проси́те | ||
они | 名詞の複数形 | про́сят |
проще́ние(中性名詞)許し
Ле́на(女性名詞)女性名 Еле́на の省略形
Оле́г(男性名詞)男性名
Ники́та(男性名詞)男性名
- Прошу́ проще́ния. 「わたしは赦しを求めます」=「すみません」
- Прошу́ внима́ния! 「ご注目ください」
- Ле́на ча́сто про́сит у роди́телей де́нег. 「レーナはしょっちゅう親に金をねだっている」
- Прошу́ ва́с сади́ться. 「どうぞお座りください」
- もちろん садиться を命令形にしてもいい。意味は同じである。しかし、もし動詞の命令形がわからなくなったりしたら、どんな動詞でもこの言い方ができるので、覚えておくと便利。ただしこの言い方は、丁寧な表現。
- Оле́г попроси́л по́мощи у Ники́ты. = Оле́г попроси́л Ники́ту о по́мощи. 「オレーグはニキータに支援・援助・手伝いをお願いした」 ≒ Оле́г попроси́л Ники́ту помо́чь. 「オレーグはニキータに手伝ってくれるよう頼んだ」
- Лёша попроси́л Ко́лю позвони́ть пото́м. 「リョーシャはコーリャに、後で電話するように言った」
- Зде́сь про́сят не кури́ть. 「ここでは喫煙しないようお願いしています」=「ここは禁煙です」
спроси́ть(完) ⇔ спра́шивать(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格・у+生格に対格・о+前置格・従属文を尋ねる
- у+生格に対格・生格を求める
прохо́жий(名詞)通行人・通りがかりの人 ※形は形容詞なので格変化は形容詞と同じ
- Я́ спроси́л у прохо́жего доро́гу в Кре́мль. = Я́ спроси́л прохо́жего о доро́ге в Кре́мль. 「わたしは通りがかりの人にクレムリンへの道を聞いた」
- Не спра́шивайте меня́; я́ са́м не зна́ю. 「わたしに聞かないでください。わたしだって知らないんですから」
- Ты́ меня́ спроси́л ─ я́ тебе́ отве́тил. Что́ ещё? 「お前が質問して、おれは答えた。これ以上何をすりゃいいってんだ」
- Об э́том ну́жно спроси́ть кого́-нибудь друго́го. 「これについては誰かほかの人に訊いてみないといけない」
- Мо́жно спроси́ть, ско́лько сейча́с вре́мени? 「いま何時かお聞きしてもいいですか?」
- Мо́жно спроси́ть ва́ш а́дрес? 「ご住所をお聞きしてもいいですか?」
このように、просить も спросить も、目的語が非常に厄介だ。
日本語では「誰々に何々を頼む」、「誰々に何々を尋ねる」だが、この場合の「誰々に」は間接目的語ではない(少なくともロシア語の感覚では)。なので、与格で示すことができない。
- 何を : 対格、生格、о+前置格、動詞不定形、従属文
- 誰に : 対格、у+生格
просить も спросить も、「何々を」も「誰々に」も対格で示すことができるが、両方を同時に対格にしてしまうと混乱する。なので、どちらか一方を対格にした場合は、もう一方は対格以外で表現する。次のような言い方はご法度。
- *Я попросил Никиту помощь.
- *Я спросил прохожего дорогу.
なお、просить も спросить も、「求める」という意味で用いる場合には目的語は「何々を」だけ。「誰々に」は常に у+生格。
ここで少々文法的な話をしておく。
просить も спросить も、「求める」という意味で用いられる場合、目的語は対格と生格のどちらも可。これから学ぶ動詞だが、хотеть「欲しい」も требовать「要求する」も ждать「待つ(待ち望む)」もまた、対格と生格のどちらとも結合する。
すでに見たように、「望む・願う・欲する」という意味の желать は、目的語として生格を要求する。
ロシア語には、「欲しい対象は生格」という感覚がある。小難しい文法用語を使うとこれを «欲求生格» と呼ぶ。これらの動詞で目的語が生格になる(なってもいい)のは、このためである。個人的な経験だが、食堂で何にするか迷っていた時、従業員のおばちゃんから «Чего?» と聞かれたことがある。その時はなぜ «Что?» でないのかわからなかったが、こういうことである。
対格と生格のニュアンスの違いは、中級レベルないし上級レベルなので、ここではやらない。とりあえずこれらの動詞が生格と結合する(し得る)ということだけ覚えておけばいい。
прости́ть(完)
⇔ проща́ть(不完) 変化形式は I 式規則変化
- за+対格について対格を許す
※проще́ние(中性名詞)許し
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | прощу́ | прости́л | |
女 | прости́ла | |||
ты | 男 | прости́шь | прости́л | прости́ |
女 | прости́ла | |||
он | 男性名詞 | прости́т | прости́л | ||
она | 女性名詞 | прости́ла | |||
оно | 中性名詞 | прости́ло | |||
мы | прости́м | прости́ли | ||
вы | прости́те | прости́те | ||
они | 名詞の複数形 | простя́т |
любо́й(代名詞)どの・どんな〜も(任意の) ※形式上は形容詞
- Прости́те за опозда́ние. 「遅れてすみません」
- Я́ его́ не прощу́. 「ぼくはあいつを許さない」
- Ли́за прости́ла му́жу за изме́ну. 「リーザは夫の裏切りを許した」
- О́н проща́ет любу́ю оши́бку. 「かれはどんな間違いも許してくれる」
- Проща́й, о́тчий кра́й, 「さらば、父祖の地よ」
Ты́ на́с вспомина́й, 「われらを思い出してくれ」
Проща́й, ми́лый взгля́д, 「さらば、愛しき眼差しよ」
Не все́ из на́с приду́т наза́д. 「われら全員が戻ってくるわけではないのだ」『Прощание славянки』- простить | прощать の命令形には、「さようなら」という意味がある。ただし基本的には、非常に長期に及ぶであろう別れ、永の別れ、次にいつ会えるか、そもそも会えるかどうかもわからない(そのつもりのない)別れに際して用いられる。だから、かなり特殊な場合を除いて、一般的に使われることはない。
この意味では、いまでも使われるのは不完了体の прощай | прощайте。完了体の прости | простите はこんにちでは古語。
- простить | прощать の命令形には、「さようなら」という意味がある。ただし基本的には、非常に長期に及ぶであろう別れ、永の別れ、次にいつ会えるか、そもそも会えるかどうかもわからない(そのつもりのない)別れに際して用いられる。だから、かなり特殊な場合を除いて、一般的に使われることはない。
прости́ться(完) ⇔ проща́ться(不完) ※不完は I 式規則変化
- с+造格に別れを告げる
- О́н прости́лся с друзья́ми. 「かれは友人たちに別れを告げた」
- На пози́цию де́вушка 「前線へと乙女は」
Провожа́ла бойца́, 「兵士を送り出した」
Тёмной но́чью прости́лася 「暗い夜に別れた」
На ступе́ньках крыльца́. 「玄関のステップの上で」『ともしび』- простилася は間違い。простилась が正しい。しかし詩の世界では、リズムを整えるため、韻を踏むためにこの間違った形が使われることが時々ある。