В03:形容詞
これまで見てきた例文は、いずれも素っ気ないものだった。もう少し飾りをつけてみよう。いわゆる修飾語である。具体的には、形容詞だ。
- Я́ сре́дний студе́нт. 「ぼくは普通の大学生だ」
- Я́ сре́дняя студе́нтка. 「わたしは普通の大学生よ」
- Ты́ хоро́ший актёр? 「君は優秀な俳優?」
- Ты́ хоро́шая актри́са? 「君は優秀な俳優?」
- О́н ре́дкий япо́нец. 「かれは珍しい日本人だ」
- Она́ ре́дкая япо́нка. 「彼女は珍しい日本人だ」
形容詞を置く場所は、実はどこでもいいのだが、基本的には修飾している名詞の直前である。これは日本語と同じだから、特に考える必要もない。
#8 名詞を修飾する形容詞は、名詞の前に置く。
形容詞とは、日本語では多くの場合「〜い」という形をしている。ところが、名詞+「の」である「普通の」や、名詞+「な」である「優秀な」も、ロシア語では形容詞である。
このように、日本語の形容詞とロシア語の形容詞、日本語の名詞とロシア語の名詞など、必ずしも一致しない。「こういう意味のことを言いたい場合に、ロシア語ではどういう単語を使うのか」、あるいは逆に、「ロシア語のこの単語は、日本語に置き換えるとどういう感じの言葉が適切か」をしっかり考えることが重要である。
さて、気づいただろうか。「Aだ」を構成している「形容詞+名詞」の部分だけ抜き出し、それを男女別に分けてみる。
- )
- средний студент
- хороший актёр
- редкий японец
- )
- средняя студентка
- хорошая актриса
- редкая японка
では、次のような例も見てみよう。
- Э́то но́вый журна́л. 「これは新しい雑誌だ」
- Э́то ста́рый до́м. 「これは古い家だ」
- Э́то большо́й слова́рь. 「これは大きい辞書だ」
- Э́то интере́сная кни́га. 「これはおもしろい本だ」
- Э́то бе́лая ко́шка. 「これは白いネコだ」
- Э́то широ́кая река́. 「これは広い川だ」
こちらも次のように分けてみる。
- )
- новый журнал
- старый дом
- большой словарь
- )
- интересная книга
- белая кошка
- широкая река
どちらの 1. も、形容詞の末尾が -й となっている。これに対して、2. では -я だ。それだけではない。2. では名詞の末尾もすべて -а となっている。
上では、1. が男、2. が女だったから、性に基づいて区別がなされているのかもしれない、とも思われるが、雑誌だの家だの、性とは無関係な名詞を使っている下は一体どういうことだろうか。
実は、ロシア語では、人、つまり実際に性を持つものだけではなく、あらゆる名詞に性の区別があり、形容詞はそれを反映して語尾変化するのである。
#9 形容詞は修飾する名詞の性に応じて語尾変化する。