こんにちバーデンとともにバーデン=ヴュルテンベルク州を形成しているヴュルテンベルクは、元来は古くはあるもののさほど有力な領邦ではなかった。15世紀末に公に格上げされ、16世紀の宗教改革期前後に領土を拡大。他方で周辺列強により公が追放されたり皇帝の干渉を招くなどして、ドイツで唯一議会が君主と張り合う力を持っていた。
ナポレオン戦争中は、ロシア皇帝アレクサンドル1世の伯父ということもあってナポレオンからかなりの配慮をしてもらい、領土は2倍以上に拡大し王国に格上げされた。この配慮はもちろんそれだけではなく、ハプスブルク家に対抗させるため南西ドイツに有力領邦をつくろうという意図もあったわけで、実際ナポレオンは南西ドイツをバイエルン、バーデン、ヴュルテンベルクの3国に再編成している。
1871年、ドイツ帝国に統合され(帝国内の王国として存続)、1918年、王制が廃止。
本家(王家)はロマーノフ家との関係が深く、その後もヴィルヘルム1世、カール1世と相次いでロマーノフ家の皇女を妃に迎え、子のないカール1世夫妻は姪のヴェーラを養子としている。
ただしヴュルテンベルク家にはロマーノフ家の血が流れたことはない。
その本家(王家)も、現在断絶。現当主ヴュルテンベルク公カールの家系は、ロマーノフ家とはいっさい無関係である。
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赤枠はツァーリ・皇帝。水色枠はヴュルテンベルク家。赤紫枠は女性。