ロシア用語の基礎知識:ム

無葛藤理論
ソ連時代の文学を象徴する理論。共産主義社会にあっては矛盾や対立は存在しない、故に葛藤も存在しない、というもの。結果として、否定的な出来事や人物は描かれず、理想的(共産党の立場から見て)な人物が、困難な状況や過酷な自然と闘う、という体の作品ばかりが書かれるようになった。スターリンの死後そのタガは若干緩くなったものの、結局ペレストロイカとソ連崩壊までロシア・ソ連文学を縛り続けた。ちなみに、ソ連産の推理小説がほとんどないのも無葛藤理論による(国民は英米の推理小説を好んで読んだ)。
ムソルグスキー モデスト
1839-81。作曲家。«五人組» のひとり。下級官吏としての勤務のかたわら作曲をした。『展覧会の絵』や『禿山の一夜』で知られる。
ムラヴィンスキー エヴゲニー
1903-88。指揮者。レニングラード・フィルの常任指揮者として1938年からその死まで半世紀にわたって活動。レニングラード・フィルを世界的レベルにまで育てた。時々やたらと演奏時間が短いことがあり、ルスランとリュドミラの序曲を4分半で、とか、剣の舞を2分弱で、とか演奏しているが、必聴。このスピードにもかかわらずレニングラード・フィルの演奏が乱れていないのも、かれの薫陶によるものであろう。

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最終更新日 16 11 2016

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