ロシア用語の基礎知識:マ

マカレンコ アントン
1888-1939。教育者。孤児のコロニーを運営し、集団主義的な教育法を実践した。その理論は個々人の個性よりも集団内における自己管理や他者との協調を重視するもので、ソ連崩壊後は批判にさらされているが、かつては世界中で大きな影響力を持った。
マシーン レオニード
1896-1979。バレエダンサー・振付師。ボリショイ、バレエ・リュッスで活動し、デャーギレフ死後はバレエ・リュッス・ド・モンテカルロの中心人物となる。
マトリョーシュカ
木製の入れ子人形。ロシア土産と言えばこれ。ロシアを代表する民俗工芸品だが、実は19世紀末(日本で言うと明治時代)に生まれたもの。そのルーツははっきりしないが、一般的に日本のコケシやダルマがヒントになっていると考えられている。
 マトリョーシュカとは、マトローナという女性名の愛称形。マトリョーシュカ人形にはもともとロシアの農婦が描かれるのが一般的だったが、マトローナ/マトリョーシュカは19世紀末当時 «いかにも農婦っぽい名» と認識されていたため、いつしかこの人形がこう呼ばれるようになった。
マル ニコライ
1865-1934。言語学者。カフカーズ研究の権威。比較言語学におけるその荒唐無稽な理論が、スターリン時代にソ連言語学界を支配した。«言語学におけるルィセンコ» と言うことができよう。
マレーヴィチ カジミール
1879-1935。画家。シュプレマティスムの創始者。白地の中央に黒い正方形を描いただけの『黒い正方形』など、抽象絵画を極限まで推し進めた。
マンモス
日本語のマンモスは英語起源だが、英語の mammoth の語源はロシア語の «マーモント мамонт»。マーモントの語源は不明だが、一般的にはシベリア先住民であるマンシ人の話すマンシ語の man (大地の)+ ont (角)とされている。シベリアで発見されたマンモスの骨(牙?)を指したものと考えられる。マンモスに類する単語が西欧で使われるようになるのは17世紀に入ってからだが、ちょうどモスクワ・ロシアがシベリアに進出し、かつ西欧との交流も(ポーランドを通じて)生まれた頃のことである。ただし、マンモスそのものはシベリアだけでなく、ヨーロッパ、アフリカ、北米などにも棲息していた。

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最終更新日 02 03 2014

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