Е24:II 式 5
повтори́ть(完)
⇔ повторя́ть(不完) 変化形式は I 式規則変化
- 対格を繰り返す
- 従属文を繰り返し言う
※повторе́ние(中性名詞)繰り返し・反復、復習
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | повторю́ | повтори́л | |
女 | повтори́ла | |||
ты | 男 | повтори́шь | повтори́л | повтори́ |
女 | повтори́ла | |||
он | 男性名詞 | повтори́т | повтори́л | ||
она | 女性名詞 | повтори́ла | |||
оно | 中性名詞 | повтори́ло | |||
мы | повтори́м | повтори́ли | ||
вы | повтори́те | повтори́те | ||
они | 名詞の複数形 | повторя́т |
- Повтори́те, пожа́луйста, ещё ра́з. 「もう一度お願いします」
- ещё раз は、ещё が「さらに、もっと、もう」、раз が「〜回」(単数だから「一回」)。だから ещё раз で「もう一回、もう一度」となる。
- О́н повтори́л объясне́ние. 「かれは説明を繰り返した」
- Не повторя́йте одну́ оши́бку. 「ひとつの間違いを繰り返さないで」=「同じ間違いを繰り返さないで」
объясне́ние(中性名詞)説明・解釈
оши́бка(女性名詞)間違い
по́мнить(不完) ⇔ ―(完)
- 対格・о+前置格・従属文を覚えている
※па́мять(女性名詞)記憶・思い出、記憶力・物覚え
※па́мятник(男性名詞)記念碑・像、遺物・遺跡
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | по́мню | по́мнил | |
女 | по́мнила | |||
ты | 男 | по́мнишь | по́мнил | по́мни |
女 | по́мнила | |||
он | 男性名詞 | по́мнит | по́мнил | ||
она | 女性名詞 | по́мнила | |||
оно | 中性名詞 | по́мнило | |||
мы | по́мним | по́мнили | ||
вы | по́мните | по́мните | ||
они | 名詞の複数形 | по́мнят |
- Я́ по́мню Та́ню. 「わたしはターニャを覚えている」
- Я́ по́мню о Та́не. 「わたしはターニャについて覚えている」
- Ты́ по́мнишь его́ телефо́н? 「あいつの電話番号覚えてる?」
- 正確には「電話番号」は номер телефона だが、特に日常会話では телефон だけで済まされることも少なくない。
- И́ра не по́мнит, что́ о́н сде́лал. 「イーラはあいつが何をしたか覚えていない」
- И́горь хорошо́ по́мнил, что Ва́ся сде́лал оши́бку. 「ヴァーシャが間違えたのを、イーゴリはしっかり覚えていた」
- Я́ бу́ду по́мнить тебя́ всю́ жи́знь. 「君のことは一生忘れないよ」
- 対格は期間を表す。ゆえに всю жизнь で「一生の間」という意味。
- По́мнишь своё сло́во? 「自分の言葉(言ったこと・約束)覚えてる?」
- Я́ не по́мню, что̀бы я́ говори́л та́к. 「そんな風に言った覚えはない」
- Я́ не по́мню, что̀бы я́ говори́л тако́е. 「そんな事を言った覚えはない」
- ここで使った чтобы という接続詞は、что の代わりである。чтобы の用法や意味については、いずれ学ぶし、詳細は辞書で確認していただきたい。ただ一点、ここで что ではなく чтобы を使っているのは、従属文に対する疑義を表明しているためである。「従属文だとは思わない」とか「従属文かどうか疑わしい」とか「従属文なんて聞いたことがない」というように、従属文に対して疑義を表明する場合には、что ではなく чтобы を使う。
- такое は такой の単数中性対格。形容詞・形容詞的代名詞は、単数中性で「〜な事・もの」を意味する名詞になる。
- 理屈の上では «Я помню, что я не говорил так.»「そんな風に言わなかったと覚えている」と言ってもいいようなものだが、日本語と同じく、そうは言わない。
Та́ня(女性名詞)女性名 Татья́на の省略形
И́ра(女性名詞)女性名 Ири́на の省略形
И́горь(男性名詞)男性名
вспо́мнить(完) ⇔ вспомина́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格・о+前置格・従属文を思い出す
※воспомина́ние(中性名詞)思い出、回想録(複)
- Я́ си́льно вспомина́л, но та́к и не вспо́мнил. 「思い出そうとがんばってみたけど、結局思い出せなかった」
- すでに出てきた «結果達成動詞»。完了体動詞 вспомнить が「思い出す」という結果達成を意味する一方、不完了体動詞 вспоминать は「思い出す」にいたる過程・経過を意味する(意味し得る)。
- Вспо́мнил его́ и́мя? 「かれの名前思い出した?」
- имя「名前」は特殊な名詞。-я で終わるものの、-мя なので、女性名詞ではなく中性名詞。しかも非動物名詞なので、主格=対格。ということで、これは対格である。
- То́ля ника́к не вспо́мнил её лица́. 「トーリャはどうやっても彼女の顔が思い出せなかった」
- лица は生格(«否定生格»)。
- В после́днее вре́мя моя́ ма́ть ча́сто вспомина́ет своё де́тство. 「このところうちの母はしょっちゅう子供の頃を思い出す」
после́дний(形容詞)最後の
※(в) последнее время(熟語)最近
де́тство(中性名詞)幼少期
запо́мнить(完) ⇔ запомина́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格を覚える
- Я́ о́чень пло́хо запомина́ю имена́. 「わたしはとても下手に名前を覚える」=「わたしは人の名前を覚えるのがとても苦手だ」
- имена は имя の複数主格=複数対格。
- Повтори́те э́ту фра́зу сто́ ра́з, и вы́ его́ запо́мните. 「このフレーズを100回繰り返しなさい。そうすれば覚えるから」
- раз は「〜回」を意味する男性名詞。このように数詞と結合することが多いが、その結合の仕方についてはいずれ。とりあえず сто раз で「100回」を意味する、と覚えておこう。
- и は順接の接続詞だから基本は「そして」、「だから」、「なので」等を意味する。しかしこのように、主に命令文の後に続けて、「そうすれば」という意味で用いることもできる。
- 完了体動詞 запомните を使っているのは、1) 動作の完結を示す「〜してしまうだろう」、2) 話者・筆者の確信を示す「〜のはずだ」。
- Хорошо́, я́ запо́мнил доро́гу. 「よし、道順は覚えた」
- Запо́мни, что́ я́ тебе́ сказа́л. 「わたしが君に言ったことを覚えておけ」
- запомнить は完了体動詞だから、基本は「覚えていない ⇒ 覚えている」という一瞬の変化を示すが、それに加えて「その後どうなったか/どうなるか」にも関心が払われている。«Хорошо, я запомнил дорогу.» で完了体動詞が使われているのも、「わたしは道順を覚えた。だから目的地まで行ける」からである。だからこの場合も、ただ単に「覚えろ」と言っているわけではない。「覚えろ。そしてこの先肝に銘じておけ」と言っているのである。だから日本語訳も「覚えろ」ではなく「覚えておけ」とした。
- ちなみに、что にアクセントがないと、この что は意味のない接続詞になる。となると、「わたしが君に言った、という事実を覚えておけ」という感じになる。「何を言ったのか」がわからない、おかしな文だ。だからこの場合、что にアクセントを置いて発音することを忘れないように。
- Я́ навсегда́ запо́мнил ва́ш сове́т. 「あなたの助言は永遠に忘れません」
- запомнил は過去時制だから、「忘れません」という日本語訳はおかしい。しかし上で述べたように、これは完了体動詞だから、「その後どうなったか/どうなるか」にも関心が払われている。「わたしはあなたの助言を覚えてしまった。この先も覚えたままだ」という意味合いがあるのだ。その場合の「この先」がどの程度先までを想定しているのか、それを示しているのが навсегда であるから、結果として「あなたの助言は永遠に忘れません」という日本語訳になる。ただし直訳をすれば「あなたの助言を永遠に覚えてしまった」。
- Я́ запо́мню э́ту исто́рию на всю́ жи́знь. 「わたしはこの話を一生忘れません」
- на всю жизнь で「この先一生涯ずっと」。これは на という前置詞の用法のひとつで、「未来の期間」を示す。
- 今度は未来時制だが、上と同じく「忘れません」という日本語訳になっている。これはどういうことかと言うと、今度は「わたし」はまだ覚えていないのである。あくまでも未来時制であるから、「これから覚える」のだ。そして「その後どうなったか/どうなるか」にも関心が払われているのであるから、一旦覚えたら、それを на всю жизнь、すなわち一生の間記憶し続けると言っているのだ。おかしな日本語になるが、「わたしはこの話を一生の予定で覚えてしまいます」が直訳になるだろう。
фра́за(女性名詞)フレーズ・文句
сто́(数詞)100
сказа́л ⇐ сказа́ть(完) ⇔ говори́ть(不完)言う
навсегда́(副詞)永遠に
сове́т(男性名詞)忠告・助言・アドバイス
исто́рия(女性名詞)歴史(ヒストリー)、お話(ストーリー)
напо́мнить(完) ⇔ напомина́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格・о+前置格を思い出させる
- Ди́ма сно́ва напо́мнил о свое́й про́сьбе. 「ディーマは改めて依頼の件を思い出させた=念押しした」
- О́н напомина́ет моего́ отца́. 「かれはわたしの父を思い出させる」=「かれを見るとうちの父を思い出す」
- Твоё письмо́ напо́мнило мне́ об обеща́нии. 「君の手紙がわたしに約束を思い出させた」=「君の手紙で約束を思い出した」
сно́ва(副詞)再び
про́сьба(女性名詞)お願い・依頼
обеща́ние(中性名詞)約束
реши́ть(完)
⇔ реша́ть(不完) 変化形式は I 式規則変化
- 対格・動詞不定形・従属文を決心する・決定する
- 対格を解く・解決する
※реша́ющий(形容詞)決定的な・最終的な、物事を決する・将来を左右する
※реше́ние(中性名詞)決定・決心、解決、解き方
※реши́тельный(形容詞)決断力のある・果断な、きっぱりした・断固たる
※реши́тельно(副詞)断固として・きっぱりと
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | решу́ | реши́л | |
女 | реши́ла | |||
ты | 男 | реши́шь | реши́л | реши́ |
女 | реши́ла | |||
он | 男性名詞 | реши́т | реши́л | ||
она | 女性名詞 | реши́ла | |||
оно | 中性名詞 | реши́ло | |||
мы | реши́м | реши́ли | ||
вы | реши́те | реши́те | ||
они | 名詞の複数形 | реша́т |
- Я́ реша́л эту зада́чу уже́ полчаса́, но всё ещё не реши́л. 「ぼくはもう30分もこの課題に取り組んでいるけど、ぜんぜん解けない」
- これまた «結果達成動詞»。つまりこの場合、完了体動詞 решить が結果の達成「解く、解き終える」を表し、不完了体動詞 решать が結果にいたる過程「解きつつある」、あるいは結果達成への試み「解こうとする」を表す。
- полчаса はかなり特殊な名詞。その格変化は辞書で確認していただきたいが、実はこれで対格である。対格は、単独で用いられて「〜の間」という期間を表す。
- О́н реша́ет зада́чи бы́стро, но не всегда́ пра́вильно. 「かれは課題を解くのは早いが、いつも正しいわけではない」
- この場合の不完了体動詞 решает は「反復」を示す。
- 否定の小詞 не は всегда「いつも」を否定している。つまり「いつもではない」と言っている。
- Э́то ещё не реша́ет вопро́са. 「これじゃあまだ問題の解決にはならない」
- вопроса は生格(否定生格)。
- Я́ реши́л изуча́ть ру́сский язы́к. 「わたしはロシア語を学ぶことにした」
- изучать は不完了体動詞だから、この場合「そもそも изучать すること」を意味する。изучать とは「学ぶ」という意味である。
- Я́ реши́л изучи́ть ру́сский язы́к. 「わたしはロシア語をマスターすることにした」
- изучить は完了体動詞だから、「изучить という行為の結果を達成すること」を意味する。изучить とは「学ぶ」という意味であり、「学ぶという行為の結果」とは「マスターする」ということである。
- Вы́ уже́ реши́ли, что́ бу́дете де́лать ве́чером? 「夜は何をするかもう決めました?」
- Я́ реши́ла, что та́к бу́дет лу́чше для все́х. 「それがみんなにとってベストだと思う」
- この реши́ть の使い方に戸惑う日本人が多いが、英語の decide にも同じ使い方がある。要は、「そう判断し、そういうことだと決定した」という意味である。
- всех は весь「すべての」の複数生格。形容詞の複数は「〜な人々」を意味するから、весь の複数は「みんな」である。
зада́ча(女性名詞)課題・仕事・任務、問題
полчаса́(男性名詞)30分
всё ещё(副詞的熟語)まだまだ・あいかわらず
бы́стро(副詞)速く(速度が)
пра́вильно(副詞)正しく・正確に
лу́чше(形容詞・副詞)より良い・良く ※文法的な説明は後回し。しばしば「ベスト」という意味で用いられる
для(前置詞)生格のために・にとって