Е14:I 式 5
меша́ть(不完) ⇔ помеша́ть(完)
- 与格を邪魔する
- 与格の в+前置格を邪魔する
- 与格が動詞不定形するのを邪魔する
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | меша́ю | меша́л | |
女 | меша́ла | |||
ты | 男 | меша́ешь | меша́л | меша́й |
女 | меша́ла | |||
он | 男性名詞 | меша́ет | меша́л | ||
она | 女性名詞 | меша́ла | |||
оно | 中性名詞 | меша́ло | |||
мы | меша́ем | меша́ли | ||
вы | меша́ете | меша́йте | ||
они | 名詞の複数形 | меша́ют |
- О́н меша́ет. 「あいつが邪魔だ」
- Я́ ва́м не меша́ю? 「お邪魔じゃありませんか?」
- 細かいことを言うと、мешаю は不完了体現在形だから、「いま現在邪魔な存在になっていませんか?」。ここで完了体を使って «Я вам не помешаю?» だと、未来時制なので、「これからわたしのすること・言うこと・存在それ自体があなたのお邪魔になりませんか?」。
- Не меша́й мне́. 「ぼくの邪魔をしないでくれ」
- Меша́ет э́тот сто́л. 「このテーブルが邪魔だ」
- Ра́дио меша́ет заня́тиям. 「ラジオが仕事・作業・勉強・練習の邪魔だ」
- Фе́дя мне́ меша́ет в заня́тиях разгово́рами. 「フェーデャがおしゃべりでわたしの仕事・作業・勉強・練習を邪魔する」=「フェーデャのおしゃべりが邪魔でわたしは仕事・作業・勉強・練習ができない」
- разговорами は造格。造格は手段・方法を表すから、邪魔する手段・方法を造格で示すのである。
- Маши́на помеша́ла Ли́зе пройти́. 「車が、リーザが通り抜けるのを邪魔した」=「車が邪魔でリーザは通り抜けられなかった」
Фе́дя(男性名詞)男性名 Фёдор の省略形
заня́тие(中性名詞)仕事・職業、授業・勉強・訓練・トレーニング(しばしば複数)
Ли́за(女性名詞)女性名 Елизаве́та の省略形
пройти́(完) ⇔ проходи́ть(不完)通り抜ける
обеща́ть(不完・完) ⇔ пообеща́ть(完)
不完了体動詞と完了体動詞が同形という珍しい例。しかしこのような動詞は、形の上では不完了体なのか完了体なのか区別がつかない。そのため、前後の文脈から聞く・読む側が好き勝手に判断しなければならなくなる。
言う・書く側が、完了体であることを明確にしたい場合には、пообещать を用いる。
- 対格・動詞不定形・従属文を約束する
- 対格・動詞不定形を期待・予想させる
※обеща́ние(中性名詞)約束 ※ただし слово で済ませてしまうことも多い。
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | обеща́ю | обеща́л | |
女 | обеща́ла | |||
ты | 男 | обеща́ешь | обеща́л | обеща́й |
女 | обеща́ла | |||
он | 男性名詞 | обеща́ет | обеща́л | ||
она | 女性名詞 | обеща́ла | |||
оно | 中性名詞 | обеща́ло | |||
мы | обеща́ем | обеща́ли | ||
вы | обеща́ете | обеща́йте | ||
они | 名詞の複数形 | обеща́ют |
- Пообеща́й. 「約束して」
- Что́ ты́ обеща́л ему́? 「お前あいつに何約束したの?」
- Она́ обеща́ла ему́ ве́чную жи́знь. 「彼女はかれに永遠の命を約束した」
- Па́па обеща́л PS4. 「パパはPS4を(買ってくれると)約束してくれた」
- PS4、WiiU、3DS、iPhone、Windows、Android 等々は、ロシア語に直さない。
- Му́ж са́м обеща́л мне́ верну́ться после войны́. 「戦争が終わったら戻ってくると、夫自身がわたしに約束してくれた」
ве́чный(形容詞)永遠の、変わらぬ、無期限の
опозда́ть(完) ⇔ опа́здывать(不完)
- 遅れる・遅刻する
※по́здний(形容詞)遅い
※по́здно(副詞)遅く
※опозда́ние(中性名詞)遅刻
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | опозда́ю | опозда́л | |
女 | опозда́ла | |||
ты | 男 | опозда́ешь | опозда́л | опозда́й |
女 | опозда́ла | |||
он | 男性名詞 | опозда́ет | опозда́л | ||
она | 女性名詞 | опозда́ла | |||
оно | 中性名詞 | опозда́ло | |||
мы | опозда́ем | опозда́ли | ||
вы | опозда́ете | опозда́йте | ||
они | 名詞の複数形 | опозда́ют |
- Са́ша опозда́л на рабо́ту. 「サーシャは仕事に遅れた」
- Са́ша опа́здывал на рабо́ту. 「サーシャは仕事に遅れていた」
- 完了体と不完了体の違い。完了体動詞 опоздал を使った上の文は、現実に一回起こった出来事を表している。サーシャは仕事に遅れてしまったのだ。これに対して不完了体動詞 опаздывал を使った下の文は、常識的に考えて、1) 過程、2) 反復、のいずれかであろう。2) であれば、「サーシャはしょっちゅう仕事に遅刻していた」という意味になる。ここでは 1) で訳しておいたが、これは「遅刻する」にいたる過程を表している。「遅刻しつつある」とか「遅刻しそうになっている」という感じか。不完了体動詞が 1) か 2) か、はたまたそれ以外の意味を表しているのか、前後の文脈で判断するしかない。
- Бо́льше не опа́здывай. 「もう遅刻するなよ」
- 完了体動詞で опоздай と言った場合はニュアンスが異なる。ただしその違いは、もっと学習が進んでから学ぼう。
- Спеши́, ина́че ты́ опозда́ешь. 「急がないと。でないと遅刻しちゃうよ」
- опоздаешь は完了体動詞である。ゆえにこれは未来時制。「いま現に遅刻しつつある」わけではない。むしろ、「いまならまだ間に合う」のである。ここで完了体動詞を使っている理由はそれだけではないが、そのような細かいニュアンスもまた、もっと学習が進んでから。
бо́льше(副詞)もう・これ以上(〜しない) ※この場合は
спеши́(命令形) ⇐ спеши́ть(不完) ⇔ поспеши́ть(完)急ぐ
ина́че(接続詞)さもないと ※英語の otherwise
слу́шать(不完) ⇔ послу́шать(完)
- 対格を聞く・対格に耳を傾ける ※あくまでも意識的に「聞く」。「聞こえてくる」場合は слышать。
- 従属文を聞く
※слу́х(男性名詞)聴覚・聴力、知らせ・噂
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | слу́шаю | слу́шал | |
女 | слу́шала | |||
ты | 男 | слу́шаешь | слу́шал | слу́шай |
女 | слу́шала | |||
он | 男性名詞 | слу́шает | слу́шал | ||
она | 女性名詞 | слу́шала | |||
оно | 中性名詞 | слу́шало | |||
мы | слу́шаем | слу́шали | ||
вы | слу́шаете | слу́шайте | ||
они | 名詞の複数形 | слу́шают |
- Вчера́ я́ слу́шала Чайко́вского на конце́рте. 「昨日わたしはコンサートでチャイコーフスキイを聞いた」
- слушала は不完了体動詞なので、過程・継続・状態「聞いていた」を意味することもあるが、この場合は単なる事実確認「слушать という事実があった」として訳した。
- Ве́чером я́ слу́шаю ра́дио. 「夜はラジオを聴きます」
- Послу́шайте меня́. 「わたしの言うことを聞いてください」
- Ве́ра послу́шала его́ внима́тельно. 「ヴェーラはかれの言うことを注意して聞いた」
- Слу́шаю ва́с. 「もしもし」
- вас は省略可。電話を受けた際の応答(=«Алло.»)。なお、会話中に挟むこともあるし、店に来た客に店員が応対する場合も言うこともある(=「いらっしゃいませ」)。どちらにせよ、「あなたの用件に対してわたしは耳を傾けています」という意味。
- О́н не слу́шал ничьи́х сове́тов. 「かれは誰の助言にも耳を貸さなかった」
- ничьих は ничей の複数生格。ничей は ни- + чей「誰の」で、「誰の〜も(〜ない)」という意味。
- なぜ ничьих советов が生格なのか。слушать は対格を支配するはずではないのか。これは、いささか先走ってしまったが、特殊な生格の用法。Е17で学ぶ。
- Я́ слу́шал, ка́к ма́ть разгова́ривала с ке́м-то по телефо́ну. 「母が誰かと電話でおしゃべりしているのを聞いていた(聞き耳を立てていた)」
- Когда́ гру́стно, я́ слу́шаю э́ту пе́сню. 「悲しい時にはこの歌を聴く」
- Мне́ гру́стно, когда́ слу́шаю э́ту пе́сню. 「この歌を聴くと悲しくなる」
Ве́ра(女性名詞)女性名