Е03:I 式 1
以下、基本的な規則に従い変化する動詞を見ていこう。
гуля́ть(不完) ⇔ ―(完)
- 散歩する・当て所なくブラブラ歩き回る
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | гуля́ю | гуля́л | |
女 | гуля́ла | |||
ты | 男 | гуля́ешь | гуля́л | гуля́й |
女 | гуля́ла | |||
он | 男性名詞 | гуля́ет | гуля́л | ||
она | 女性名詞 | гуля́ла | |||
оно | 中性名詞 | гуля́ло | |||
мы | гуля́ем | гуля́ли | ||
вы | гуля́ете | гуля́йте | ||
они | 名詞の複数形 | гуля́ют |
- Я́ гуля́ю в саду́. 「わたしは庭をぶらついている」
- гуляю は不完了体動詞だから、ここでは「いま現在散歩している」という現在進行形で訳したが、文脈によっては「いつも庭を散歩する」など、ほかの意味もあり得る。
- В лесу́ гуля́ет Шу́ра. 「森をシューラが歩き回っている」
- в лесу は文頭に置かれているからこの文の主題。文末の Шура がこの文で最も言いたいポイントである。
- Где́ ты́ гуля́ешь? 「どこをほっつき歩いてんだ?」
- これまた、「普段はどこを散歩しているんだ?」という意味もあり得る。
- Ка́ждое у́тро Ма́ша гуля́ет с соба́кой. 「マーシャは毎朝イヌを連れて散歩している」=「マーシャは毎朝イヌを散歩させている」
- каждый は「毎〜」という意味の形容詞(厳密には代名詞)。この用法についてはいずれ学ぶことになろう。
- Сего́дня о́н ниско́лько не гуля́л. 「今日はかれは少しも出歩いていない」
- こちらでは、不完了体動詞を過去の事実確認とみなして訳した。「今日、かれが гулять した事実はない」という意味である。
Шу́ра(男性名詞/女性名詞)男性名 Алекса́ндр、女性名 Алекса́ндра その他の省略形
ка́ждый(代名詞)それぞれの・ひとつひとつの
※分類上は代名詞だが、使い方は形容詞。英語の every。
Ма́ша(女性名詞)女性名 Мари́я その他の省略形
рабо́тать(不完) ⇔ ―(完)
- 働く・仕事をする・勉強をする・その他関係する名詞次第では「訳す」、「計画する」、「執筆する」、「操作する」等々
- (どこそこに)勤務する
- 動く・機能する・作動する・営業する
※рабо́та(女性名詞)仕事、作業・活動、働き ※どうでもいい話。チェコ語では robota。ここからつくられた言葉が robot「ロボット」。
※рабо́чий(男性名詞)労働者(基本的に肉体労働者)(男性、性不問) ※形は形容詞だから形容詞の格変化をするが、名詞。女性の場合は рабочая。
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | рабо́таю | рабо́тал | |
女 | рабо́тала | |||
ты | 男 | рабо́таешь | рабо́тал | рабо́тай |
女 | рабо́тала | |||
он | 男性名詞 | рабо́тает | рабо́тал | ||
она | 女性名詞 | рабо́тала | |||
оно | 中性名詞 | рабо́тало | |||
мы | рабо́таем | рабо́тали | ||
вы | рабо́таете | рабо́тайте | ||
они | 名詞の複数形 | рабо́тают |
- Я́ рабо́таю. 「わたしは働いている/わたしは社会人だ」
- 不完了体動詞であるから、常識的には次のふたつの可能性が大きい。それ以外の可能性もないではないが、それは前後の文脈次第。
- 事実確認 : 「わたしは働いています=社会人です/サラリーマンです」
- 進行形 : 「いまこの瞬間に仕事をしています」
- 不完了体動詞であるから、常識的には次のふたつの可能性が大きい。それ以外の可能性もないではないが、それは前後の文脈次第。
- Я́ не рабо́таю. 「わたしは働いていない/わたしは未成年だ(学生だ)/わたしはニートだ/わたしはもう定年退職した/わたしは専業主婦だ」
- Где́ вы́ рабо́таете? 「どちらにお勤めですか?」
- Мо́й оте́ц рабо́тает на заво́де Тойо́та. 「父はトヨタの工場で働いている」
- Тойота のような外国語は、格変化させなくてもいい。しかしトヨタぐらい(ロシアでも)有名な名詞であれば Тойоты と格変化させることもある。
- Ке́м вы́ рабо́таете? 「あなたは誰として働いてますか?」≒「お仕事は何をされてますか?」
- 造格の用法のひとつ。「〜として」。
- Са́ша рабо́тает перево́дчиком. 「サーシャは翻訳家・通訳として働いている」=「サーシャは翻訳家・通訳をやっている」
- この文は、«Саша ─ переводчик.» と、イコールでもありイコールでもなし。
- Рабо́тай. 「仕事しろ」
- Её се́рдце не рабо́тало норма́льно. 「彼女の心臓は正常に機能していなかった」
- Часы́ не рабо́тают. 「(その)時計は止まっている」
- Метро́ ещё рабо́тает? 「地下鉄はまだ動いてる?」
- Столо́вая сего́дня не рабо́тала. 「食堂は今日はやってなかった」
Са́ша(男性名詞/女性名詞)男性名 Алекса́ндр、女性名 Алекса́ндра その他の省略形
перево́дчик(男性名詞)通訳・翻訳家(ロシア語はこのふたつを区別しない)
норма́льно(副詞)ノーマルに
метро́(中性名詞)地下鉄 ※本来は別の名詞の省略形であり、ゆえに不変化
столовая(女性名詞)食堂(家庭における食事をする部屋、食事を出すお店)
※形は形容詞だから形容詞の格変化をするが、名詞。
разгова́ривать(不完) ⇔ ―(完)
- 語り合う・会話する・おしゃべりする
※говори́ть(不完)言う・話す ※変化形式は II 式(II 式については後述)。
※разгово́р(男性名詞)会話
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | разгова́риваю | разгова́ривал | |
女 | разгова́ривала | |||
ты | 男 | разгова́риваешь | разгова́ривал | разгова́ривай |
女 | разгова́ривала | |||
он | 男性名詞 | разгова́ривает | разгова́ривал | ||
она | 女性名詞 | разгова́ривала | |||
оно | 中性名詞 | разгова́ривало | |||
мы | разгова́риваем | разгова́ривали | ||
вы | разгова́риваете | разгова́ривайте | ||
они | 名詞の複数形 | разгова́ривают |
- Они́ разгова́ривают о кино́. 「かれらは映画の話をしている」
- Вчера́ я́ с ни́м разгова́ривал по телефо́ну. 「昨夜わたしはかれと電話でおしゃべりをした」
- разговаривал は不完了体動詞だから、「おしゃべりをするという事実があった」と事実確認をしているか、あるいは「おしゃべりをしていた」という過去進行形か、基本的にはそのどちらかであろう。
- Она́ с ке́м-то разгова́ривала. 「彼女は誰かとお喋りしていた」
- О чём вы́ разгова́риваете? 「お前ら何の話してんの?」「あなた方は何の話をしてらっしゃるのですか?」
по(前置詞)与格で・によって・を使って
телефо́н(男性名詞)電話
уме́ть(不完) ⇔ ―(完)
- 動詞不定形する能力がある(学んだ結果・練習した結果、人の性質として)
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | уме́ю | уме́л | |
女 | уме́ла | |||
ты | 男 | уме́ешь | уме́л | уме́й |
女 | уме́ла | |||
он | 男性名詞 | уме́ет | уме́л | ||
она | 女性名詞 | уме́ла | |||
оно | 中性名詞 | уме́ло | |||
мы | уме́ем | уме́ли | ||
вы | уме́ете | уме́йте | ||
они | 名詞の複数形 | уме́ют |
- Я́ уже́ уме́ю чита́ть. 「ぼくもう字が読めるよ」
- ただし普通に言う場合は、そもそも уме́ть を使わず、不完了体動詞をそのまま語尾変化させることが多い(この場合であれば «Я уже читаю.»)。уме́ть を使うのは、あくまでも能力の有無を明確にしたい・強調したい場合。
- Ты́ уме́ешь ши́ть? 「あんた縫い物ってできる?」
- Ко́ля не уме́ет ду́мать. 「コーリャは考えるということができない」
- Она́ не уме́ла льсти́ть. 「彼女はおべっかを使ったりできない人だった」
- Уме́л ошиби́ться, уме́й и попра́виться. 「間違えることができたのなら、正すこともできるようになれ」(ことわざ)
- 前半は文法的にいささか面倒なので、ここでは説明しない。とりあえずこのまま丸暗記しておこう。
- и という単語は、主な意味・用法がふたつある。どちらも非常によく使われるので、状況に応じてどちらかきちんと見分けられるようになっておこう。
- (接続詞)「AとB」 : AとBの間に置く。AとBは、名詞、形容詞、動詞、文など、何でもあり。
- (小詞)「Aも」 : Aの前に置く。Aは、名詞、形容詞、動詞など、基本的には単語。
ши́ть(不完) ⇔ ―(完)対格を縫う
Ко́ля(男性名詞)男性名 Никола́й の省略形
льсти́ть(不完) ⇔ польсти́ть(完)へつらう・媚びる・おべっかを使う・ゴマをする
ошиби́ться(完) ⇔ ошиба́ться(不完)間違える
и(小詞)(次に続く単語)も
попра́виться(完) ⇔ поправля́ться(不完)自分の誤りを訂正する