ロシア学事始

ロシア語講座

ロシア語は、比較言語学的には、インド・ヨーロッパ語族のスラヴ語派に属する。ウクライナ語、ベラルーシ語とともに、東スラヴ諸語というグループを構成している。

 ロシアの公用語であるだけでなく、多くの旧ソ連諸国において、公用語ないしそれに事実上順ずる存在である。しかしそれ以外の国々では基本的に «外国語» である。ちなみに、国連の公用語のひとつでもある。

 これだけ広大な国土、これだけ多くの人々が母語として話しているにもかかわらず、方言分化による差が著しく小さい。少なくとも、日本語のように、「母語話者が聞いてもわからない」方言は存在しない。

母語話者人口上位十傑
EthnologueEncarta
1中国語1 213 000 0001 212 560 000
2スペイン語329 000 000322 200 000
3英語328 000 000341 000 000
4アラブ語221 000 000422 039 637
5ヒンディー語182 000 000366 000 000
6ベンガル語181 000 000207 000 000
7ポルトガル語178 000 000176 000 000
8ロシア語144 000 000167 000 000
9日本語122 000 000125 000 000
10ドイツ語90 300 000100 130 000

 ロシア語は、全世界で、母語として話している人が1億数千万人。日本でポピュラーなフランス語やドイツ語よりも多くの母語話者を擁する巨大言語である(これは単純に民族としてのロシア人の数が多いため)。
 また、第二言語としての話者を含めると、ロシア語話者総数として 260 000 000 という数字を見たことがある。正確な数の算出は不可能だろうが、おおよそベンガル語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語で横並びと考えてよかろう(日本語は母語話者数と話者総数とほとんど同じはずだから、ロシア語の半分)。
 ところが外国語としてロシア語を学ぶ人の数は、言うまでもなく、ドイツ語やフランス語と比べ物にならないくらい少ない。日本でも、使える人、学ぶ人がほとんどいない。
 理由はさまざまだろうが、ひとつには現実にロシア語を第一言語としている国がロシアだけ、しかもそのロシアと日本とは必ずしも交流が盛んではない、ということが挙げられるだろう。ロシア語を学んだとて、就職で役立つわけでもなく、実生活で使用する機会もない、となれば、学ぶ意欲も湧かないのは当然である。
 学ぶ人が少なければ、教える場も少なくなるのは道理で、いざ学びたいと思っても、なかなかそのような機会が手近にないのが現実である。
 そのような方の少しでもお役に立てば、このページをつくった甲斐もあったというものである。

 ここではロシア語を、基礎の基礎、文字から始めて、段階を追って学んでいこう。
 ただし、会話については内容が貧弱になっている。言うまでもなく、音声教材を用意できないためである。

 と言っても、ここには練習問題のたぐいは一切ない。
 初級レベルについては、優れた教材が(教科書という形で)多数存在している。もちろん英語などに比べれば「ごくわずかしかない」と言うべきだろうが、わたしたちが実際に学ぶ場合にはどれを選んだらいいか迷うくらいにはある。ぜひともそれらをご利用いただきたい。
 中級レベル以上になると、個人的には練習問題をやっている場合ではない、と思っている。もう実践の段階であろう。つまり、講読であればネイティヴの読んでいる文章に挑戦し、作文であれば自分の言いたいこと・書きたいことを書く訓練をすべきである。そのために必要なことは、ほとんど初級レベルですでにやっているはずだ。ネイティヴの読んでいる文章を読んでみて、あるいは自分の書きたいことを書こうとしてつまずくようであれば、もう一度初級レベルを復習してみよう。初級レベルを完璧にマスターしていれば、中級レベルは意外に簡単にクリアできるはずである。実際、大学のロシア語学科の学生などは、1年生を終えた段階でロシアに留学し、それなりにまともに生活ができているのだ。

 閲覧されている環境によっては、一部特殊文字、あるいはそもそもロシア語が表示されない場合もあるかもしれない。ご理解いただきたい。

 最初に申し上げておく。初心者向けの教科書などでよく見かけるが、ロシア語にカタカナでルビを振る、というのは、個人的に好きではない。
 日本語とロシア語とでは、同じ(ような)音もあるが、違う音がほとんどである。カタカナで表記してしまうと同じ音だと思わせてしまう危険性が高く、またそもそも «ロシア文字» を読む訓練にもならない。
 なので、ここではロシア語をカタカナ表記することはしない。がんばって «ロシア文字» を読んでいただきたい。それがあなた自身のためになるのである。

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最終更新日 28 02 2015

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