ロシア学事始ロシアの君主ロシアの皇位継承

基本国家法典

Свод основных государственных законов

«基本国家法典»(当サイトでは時に国家基本法と訳したりもしている)とは、第一革命を受けて1906年にそれまでに出された勅令などを集大成して憲法の代わりとしたものである。
 1797年にパーヴェルの定めた皇位継承法もほぼそのまま(若干の修正を加えて)第2章に盛り込まれている。

 ここで条文を訳したのは皇位継承にかかわる部分のみ。
 また、直訳はめんどうだし具体性がなくてわかりづらいので、何を言っているかをわたしなりに解釈して載せる。
 なお問題点については、皇位継承に関する問題にしぼって論じたページをつくっているので参照してもらいたい。

第1部:基本国家法

第1章:最高専制権力の本質について

第2章:皇位継承の順位について

25. ロシア皇位はロマーノフ家の世襲である。

26. ロシア皇位と、ポーランド王位とフィンランド大公位は不可分である。

27. 皇位継承権は長子相続原理に基く男性が優先し、最後の男系子孫が断絶した場合、女系子孫に移る。

28. 皇位継承権者の筆頭は現在の皇帝の長男であり、その長男のすべての男系子孫に属する。

29. 長男の男系子孫が断絶した場合は次男とその男系子孫に、次男の男系子孫が断絶した場合は三男の系統に移る。以下これに従う(第28条と第29条は男系限定の長子継承法、いわゆるサリカ法の原則を述べている)。

30. 最後の男系子孫が断絶した場合には、皇位継承は最後の皇帝の女系子孫に移る。その場合、男子を女子より優先する(「男子を女子より優先する」と述べているだけで、年長系と年少系の優劣、この系統内部での男系と女系の優劣、生没による優劣については規定されていない)。

31. 最後の皇帝の子孫が(男系・女系ともに)断絶した場合には、皇位継承は初代皇帝(Император-Родоначальник)の長男の女系子孫に移る。その場合、最後に君臨していた系統の近親女子が継承する(いきなり最後の皇帝から初代皇帝に遡るというのが意味不明。しかも女系子孫と言った場合、初代皇帝の長男の娘と初代皇帝の長男の長男の娘とどちらを優先するかも不明確)。

32. 初代皇帝の長男の女系子孫(31)が断絶した場合には、皇位継承は初代皇帝の次男以下の男子の女系子孫に移る。次には初代皇帝の長女の男系子孫、次には女系子孫、と続く。

33. 初代皇帝の長女の男系・女系子孫が断絶した場合には、皇位継承は初代皇帝の次女の男系、次いで女系子孫に移る。以下同。

34. 妹に息子がいようとも、姉(たとえ未婚であっても)が優先する。弟は姉に優先する。

35. 女系子孫をたどり、他国の君主に行き着いた場合、継承権者は信仰と皇位を選ばなければならない。信仰を否定しない場合、次の皇位継承権者が皇位を継承する。

36. ふさわしい称号を持たない者、すなわちいかなる царствующий あるいは владетельный な家系にも属さぬ者との結婚から生まれた子供は、皇位継承権を有さない(この点に関しては別途ページで考察している)。

37. さらなる皇位継承に支障をきたさない場合には、皇位継承権者は皇位継承権を放棄できる。

38. 皇位継承権の放棄は、いったん公表され法律化されたら、取り消しはできない。

39. 即位した皇帝は皇位継承に関する上記の法を遵守しなければならない。

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第3章:皇帝陛下の成年について、政府と後見について

第4章:即位と臣民の宣誓について

第5章:聖なる戴冠と塗油について

第6章:皇帝陛下の称号と国家の紋章について

第7章:信仰について

62. ロシア帝国において首座を占め支配的な信仰は東方正教である。

63. 皇帝は、ロシア皇位の所有者として、正教以外の信仰をしてはならない。

第8章:ロシア臣民の権利と義務について

第9章:法について

第10章:国家評議会と国家ドゥーマ、その活動について

第11章:閣僚会議、閣僚、個別部局の長官について

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第2部:皇室に関する制定

第1章:皇室における親等について

126. 皇帝の血を引く者と、出自においてふさわしい称号の者との、合法的であり、かつ現皇帝により認められた結婚から生まれた者はすべて、皇室のメンバーと認められる。

第2章:皇室メンバーの誕生と逝去について、系図について

第3章:称号、紋章、その他の外的特権について

第4章:皇室メンバーの扶養について

第5章:皇室メンバーの市民権について

I:婚姻について

А)結婚

183. 皇室メンバーの結婚には皇帝の承認が不可欠。承認のない結婚は非合法とみなされる。

184. 皇帝の許可さえ得れば、結婚相手は正教徒でも異教徒でもOK。

185. 皇位継承権を持つ男性皇室メンバーの異教徒との結婚は、異教徒が正教を восприятие (受容)しない限り成立しない(この восприятие が具体的に何を意味しているのかが不明瞭)。

186. 婚約式や結婚式は教会の規則と皇帝の定めた式次第に則っておこなわれる。※注は省略。

187. 大公・大公女の結婚に関しては、勅令によって全人民に告知される。結婚相手の称号、またもし結婚相手が正教に改宗した場合には正教徒としての名もまた公表される。その他の皇室メンバーの結婚に関しては、元老院からの通達により公表される。

188. ふさわしい称号を持たない者、すなわちいかなる царствующий あるいは владетельный な家系(この点に関しては別途ページで考察している)にも属さぬ者と結婚した場合、皇室メンバーに属する財産・権利を結婚相手や子孫に伝えることはできない。

Б)婚姻契約と婚資

В)婚姻の解消

II:幼年と成人

III:種々の財産、その獲得と譲渡

IV:相続

V:司法官庁について

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第6章:皇室メンバーの皇帝に対する義務について

219.

220.

221.

222. 皇帝は無制限の専制君主であり、従順ならざる者から法典に記された権利を剥奪することができる。

223.

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最終更新日 17 01 2013

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