オーリゴヴィチの末裔。モンゴルの襲来でチェルニーゴフが破壊された後、オーリゴヴィチは本拠を北東に移す。チェルニーゴフやノーヴゴロド＝セーヴェルスキイはいずれも現在のウクライナにあるが、新たな本拠は現ロシアのブリャンスク州都ブリャンスクを中心に、さらにその北東カルーガ州、トゥーラ州、オリョール州となった。ここはオカー川の上流域にあたり、このためかれらは «ヴェルホーヴィエ（上流）諸公» と呼ばれる。
この地域は14世紀にはリトアニア大公に従属するようになるが、モスクワのすぐ南にあたり、そのため北方での覇権を確立したモスクワ大公は15世紀にはこの地域への勢力拡大を開始。1494年、リトアニアも上流諸公に対するモスクワ大公の宗主権を確認し、16世紀後半までには各分領はモスクワ大公領に併合された。
始祖となったのは、チェルニーゴフ公ミハイール・フセヴォローディチ（１１）の子ムスティスラーフ（１２）。しかしその後の系統はよくわからない。カラーチェフ公位すら、いつの間にか年代記に姿を見せなくなっており、あるいはコゼリスクかモサーリスクの公が一族の宗主権を継いだのか、それとも一族は分裂してしまったのか。
カラーチェフ（ロシア連邦ブリャンスク州）に本拠を置いたカラーチェフ系は、コゼリスク、モサーリスク（いずれもロシア連邦カルーガ州）等、特に西部に領土を有した。そのためか、モサーリスク公家（モサーリスキイ家）などはロシア貴族ではなくポーランド貴族となっている。
この系統はほかに、エレーツ（ロシア連邦リペツク州）、ペレムィシュリ（ロシア連邦カルーガ州）、ズヴェニーゴロド（？）などを領有した。
家系図はこちらの画像。
- 12. ムスティスラーフ・ミハイロヴィチ
- 13. ティート・ムスティスラーヴィチ
- 14. スヴャトスラーフ・ティートヴィチ
- 14. フョードル・ティートヴィチ
- 14. イヴァン・ティートヴィチ
- 15. ロマーン・イヴァーノヴィチ «ゴルチャーク»
- 16. アンドレイ・ロマーノヴィチ
- 17. ヴラディーミル・アンドレーエヴィチ
- 18. セミョーン・ヴラディーミロヴィチ
- 19. ミハイール・セミョーノヴィチ
- 20. イヴァン・ミハイロヴィチ
- 21. ボリース・イヴァーノヴィチ
- 22. フョードル・ボリーソヴィチ
- 23. イヴァン・フョードロヴィチ «ゴルチャーク»
- 24. ピョートル・イヴァーノヴィチ・ゴルチャコーフ
- 25. ドミートリイ・ペトローヴィチ・ゴルチャコーフ
- 26. ヴァシーリイ・ドミートリエヴィチ・ゴルチャコーフ
- 27. フョードル・ヴァシーリエヴィチ・ゴルチャコーフ
- 28. イヴァン・フョードロヴィチ・ゴルチャコーフ
- 29. アンドレイ・イヴァーノヴィチ・ゴルチャコーフ
- 30. ミハイール・アンドレーエヴィチ・ゴルチャコーフ
- 29. アンドレイ・イヴァーノヴィチ・ゴルチャコーフ
- 28. イヴァン・フョードロヴィチ・ゴルチャコーフ
- 27. フョードル・ヴァシーリエヴィチ・ゴルチャコーフ
- 26. ヴァシーリイ・ドミートリエヴィチ・ゴルチャコーフ
- 25. ドミートリイ・ペトローヴィチ・ゴルチャコーフ
- 24. ピョートル・イヴァーノヴィチ・ゴルチャコーフ
- 23. イヴァン・フョードロヴィチ «ゴルチャーク»
- 22. フョードル・ボリーソヴィチ
- 21. ボリース・イヴァーノヴィチ
- 20. イヴァン・ミハイロヴィチ
- 19. ミハイール・セミョーノヴィチ
- 18. セミョーン・ヴラディーミロヴィチ
- 17. ヴラディーミル・アンドレーエヴィチ
- 16. アンドレイ・ロマーノヴィチ
- 15. フョードル・イヴァーノヴィチ
- 16. イヴァン・フョードロヴィチ
- 17. ユーリイ・イヴァーノヴィチ
- 18. イヴァン・ユーリエヴィチ
- 18. セミョーン・ユーリエヴィチ
- 17. ユーリイ・イヴァーノヴィチ
- 16. イヴァン・フョードロヴィチ
- 15. ロマーン・イヴァーノヴィチ «ゴルチャーク»
- 13. アンドレイ・ムスティスラーヴィチ
- 13. パンテレイモーン・ムスティスラーヴィチ
- 13. ティート・ムスティスラーヴィチ