ロシア学事始ロシア用語の基礎知識

ロシア用語:ツ

ツァーリ
日本語ではツァーと表記することが多いが、発音を聞いているとツァーではなくツアーの方が一般的か。観光旅行じゃないんだから。
 意味は、実は一言で言うのは難しい。普通は «皇帝» と訳されているし、それでもいいのだが、ロシア語ではユダヤ人の王ダヴィデやソロモンも、キプチャク・ハーンも、ビザンティン皇帝も、みんな «ツァーリ» である。ロシア皇帝という称号も、正式には «ツァーリ» ではなく «インペラートル» である。公的には、ロシアの支配者がツァーリを名乗っていたのは1547年から1721年まで。
ツングースカ
ロシア語では(当サイトの表記法に従うと)、«トゥングースカ»。
 現地時間の1908年7月17日(7月30日)の朝7時過ぎ、エニセイ川流域(現クラスノヤールスク地方)の上空を南東から北西へと飛行する巨大な «火の球» を多くの住民が観測している。やがてポドカーメンナヤ・トゥングースカという川(エニセイの支流)の上空でこの «火球» は爆発。直下に都市や集落は存在せず、人的被害は報告されていないが、半径 200 km 以内ではガラスが割れ、イルクーツクやタシケントのみならずイェナ(ドイツ)でも地震が観測された。さらに半径 30 km にわたってタイガが炎上し、2000 km² 以上の森林がなぎ倒された。キノコ雲が 100 km 以上離れた場所からも観測され、大西洋から中央シベリアにかけての地域ではその後数日にわたって空や雲の発光現象が観測されたという。また磁気嵐が5時間にわたって続いた。
 正確な «爆心地» は特定不能だが、おおよそ北緯 60°52' から 54'、東経 101°53' から 55' とされているようだ。
 最初の報道は2週間後。最初の学術的調査は革命後の1921年。これほど遅れたのはほかでもない。ロシアの国内情勢が安定していなかったためである。
 原因はいまだに不明。隕石とされることが多いが、その残片などは発見されていない。このため彗星説その他多数の仮説があるが、いかんせん物証が何ひとつないため、どれも推測の域を出ない。
ツンドラ
ロシア北極圏の永久凍土地帯のこと。もっとも、タイガもその3分の2は永久凍土地帯にあり、そのため厳密にはツンドラは木すら生えない地域を指す(もともとツンドラとはウゴル語で «木のない土地» を意味する)。それでも夏にはコケや若干の草木が生育することもある。ンガナサン人、ネネツ人などがトナカイの放牧を営んでいる。
 もともとはロシアに限定された言葉だったが、現在では北欧や北米などの同様の気候を持つ地域を一般的にツンドラと呼んでいる。

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最終更新日 01 09 2012

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