ロシア学事始ロシアの言語

アフロ=アジア語族

かつてはセム=ハム語族と呼ばれていた。西アジアから北アフリカにかけてのイスラーム圏にて支配的な言語グループである。とはいえヘブライ語は含まれるが、トルコ語やイラン語は含まれない。
 230 000 000人の話者人口を抱えるアラブ語が圧倒的だが、アフロ=アジア語族全体の話者人口も300 000 000人を越えると考えられており、属する言語も375にのぼる。

 アフロ=アジア語族を代表するアラブ語の話し手は、ロシアにおいてはしょせん «外国人» である。アラブ人の人口に比してアラブ語の話者人口が多いのは、イスラーム教徒にとってアラブ語が «共通語» だからである。もっとも、ロシアのイスラーム教徒にとってはアラブ語よりはトルコ語の方が «共通語» と呼ぶにふさわしいかもしれない。
 よりロシアに «土着» した話し手は、ユダヤ人とアッシリア人である。
 アッシリア人は20世紀初頭にオスマン帝国による «虐殺» を逃れて亡命してきた人々の子孫であり、ほとんどが北カフカーズに住む。しかし新しい世代ではロシア語化が進んでおり、アッシリア語(現代アラム語)の話者は減少傾向にあるらしい。
 ロシアに住むユダヤ人は、一般的に、ヘブライ語よりはイディッシュを話す。かれらはロシア革命後着実に減少してきている。イディッシュはドイツ語のユダヤ人訛りであり、ヘブライ語とはまったく異なる言語であるが、2002年の国勢調査ではヘブライ語とイディッシュが一緒くたにされている。

言語名話者数民族名民族人口
1アラブ語50 140アラブ人
中央アジア・アラブ人
10 630
181
2ヘブライ語・イディッシュ30 019ユダヤ人229 938
3アッシリア語7 762アッシリア人13 649

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最終更新日 07 04 2012

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