ロシア語講座:初級

М07:関係副詞の基本

関係詞には、文法的に言うと、関係代名詞、関係副詞、関係数詞の3つがあり得る(関係数詞を関係副詞に含める人もいる)。
 ここまでは関係代名詞 который を扱ってきたが、最後に関係副詞についても簡単に述べておこう。

 関係副詞にもいくつかあるが、とりあえずは次の3つほどを覚えておけばいいだろう。

  1. где
  2. (куда)
  3. когда

 関係副詞とは、関係代名詞と同じく、主文中の先行詞と関係詞節とを結ぶ接着剤である。関係代名詞と同じように、関係詞節内で先行詞の代役を果たすが、代名詞ではなく副詞であるから、性・数・格とは無縁である。
 基本的に、先行詞は名詞だが、場所を表す名詞(где、куда)、時間を表す名詞(когда)である。先行詞が名詞であるから、関係代名詞 который を使うことも可能だ。ただ関係副詞が使える場合には、関係副詞を使うのが一般的である。

 抽象的な説明を連ねるよりも、具体例を見てもらおう。

という文を、関係代名詞を使って露訳してみよう。

  1. 「これは家だ」
  2. 「わたしはこの家(建物)に住んでいた」

それぞれロシア語では、

  1. Э́то до́м.
  2. Я́ жи́л в э́том до́ме.

続いて関係代名詞 который を代入すると、

  1. Э́то до́м.
  2. Я́ жи́л в кото́ром.

最後に、順番を入れ替えてひとつにまとめる。こうして、

が出来上がる。
 この関係詞節において、в котором は場所を表している。先行詞 дом も、場所を表す(表し得る)名詞である。そこで、この в котором は、場所を表す関係副詞 где に置き換えることができる。つまり、

となるのである。つまりこの場合、

である。
 基本的に、в+前置格、на+前置格が関係副詞 где に置き換わる、と理解しておいていい。
 同様に、в+対格、на+対格は、関係副詞 куда に置き換わる。

関係代名詞関係副詞
в|на+前置格в которомгде
на котором
в которой
на которой
в|на+対格в которыйкуда
на который
в которую
на которую
в которое
на которое

 куда の例を挙げておこう。

 場所を表す где、目的地を表す куда に比べて、時を表す когда は一般化が難しい。と言うのも、時間の表現は多種多様だからである。すなわち、

といった具合だ。これらすべて、場合によってはさらに +α で、когда を使うことができる。

#237 関係副詞とは、関係代名詞の仲間であり、関係詞のひとつ。

#238 関係副詞の先行詞となり得る名詞は、意味的に限定される。

#239 関係副詞は副詞であるから、先行詞となる名詞そのままではなく、その(前置詞+)斜格の代役となる(つまり関係詞節中での役割はほぼ決まっている)。

#240 関係副詞が名詞や前置詞と結合することはないから、常に関係詞節の先頭に置かれる。

мемориа́льный(形容詞)記念のための
табли́чка(女性名詞)表札・表示板・銘板・ネームプレート
я́дерный(形容詞)核・芯の、原子核の
ступи́ть(完了体動詞) ⇔ ступа́ть(不完了体動詞)
   一歩踏み出す・進む・足を踏み入れる
луна́(女性名詞)月(天体)
соверши́ть(完了体動詞) ⇔ соверша́ть(不完了体動詞)
   対格をする・為す・成し遂げる
глу́пость(女性名詞)愚かさ、愚行
по́двиг(男性名詞)偉業・功績・手柄、自己犠牲の行為

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最終更新日 11 04 2019

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