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ロシア語では、「 . 」の代わりに「 ? 」を置くと、それだけで疑問文になる。
- О́н студе́нт. 「かれは大学生だ」 ⇒ О́н студе́нт? 「かれは大学生ですか?」
- Са́ша у́мный. 「サーシャは賢い」 ⇒ Са́ша у́мный? 「サーシャは賢い?」
- Ле́на бе́гает. 「レーナは走っている/走れる」 ⇒ Ле́на бе́гает? 「レーナは走っている?/走れる?」
同じように、「 . 」を「 ! 」に置き換えることで、感嘆文にできる。
- О́н студе́нт. 「かれは大学生だ」 ⇒ О́н студе́нт! 「かれは大学生なんだ!」
- Са́ша у́мный. 「サーシャは賢い」 ⇒ Са́ша у́мный! 「サーシャって賢いね」
- Ле́на бе́гает. 「レーナは走っている/走れる」 ⇒ Ле́на бе́гает! 「レーナが走っている!/走れる!」
感嘆文というのは、筆者・話者の感情を強く表現するものであるから、他の文以上に前後の文脈でニュアンスが大きく変わるし、それによって日本語訳もまったく異なるものになることがある。極端な例を挙げると、«Саша умный!» も、コンテキスト次第では、「はっ、サーシャが賢いって? 笑わせるな。サーシャが賢いわけあるか」というニュアンスで用いられることがある。つまり上記の日本語訳は、あくまでも前後の文脈を無視したもので、日本語訳の一例でしかない。
このように、ロシア語では、平叙文、疑問文、感嘆文が、形態上、文型上、区別できない。ゆえに、感嘆、驚愕、憤怒などの強い感情を表現しようと思ったら、とりあえず「 . 」の代わりに「 ! 」にしておけばいい、とも言える。
#201 感嘆文は、文字では、文末の「 . 」を「 ! 」に置き換える。
感嘆文を声に出して発する場合には、イントネーションが特殊になる。上述のように、強い感情を表現するのが感嘆文だから、イントネーションも様々である。とりあえずここでは細かいことを省いて、次のタイプだけ覚えておこう。つまり、強調したい単語の、アクセントがある母音を高く発音する、というものである。これでは疑問文のイントネーションと区別がつかないが、とりあえず区別をつけなくていい。
#202 感嘆文は、口頭では、強調したい単語の有力点母音で音を上げる。
чёрт(男性名詞)悪魔
ба́шня(女性名詞)塔・タワー・やぐら
лже́ц(男性名詞)嘘つき ※男女不問
слу́шаться(不完了体動詞) ⇔ по-(完了体動詞)生格の言うことを聞く・言いつけに従う
- 間投詞
- О́й! 「あらまぁ!」
- Здра́вствуйте! 「こんにちは!」
- Спаси́бо! 「ありがとう!」
- Э́й, у́хнем! 「えんやこーら」
- Го́сподь! 「主よ!」
- Чёрт возьми́! 「畜生!」
- Говно́! 「くそっ!」
- 名辞文
- Весна́! 「春だ!」
- Счёт! 「お勘定!」
- Ма́рш! 「行進!」
- Высо́кая ба́шня! 「高い塔だなぁ」
- 平叙文
- Наконе́ц! 「やっとかよ」
- Хо́лодно! 「寒っ!」
- Стра́шно! 「怖〜い」
- Ты́ лже́ц! 「嘘つき」
- Уста́ла! 「疲れたぁ」
- У него́ пя́ть дете́й! 「あいつんとこ5人も子供がいるのかよ」
- Гора́ Фу́дзи о́чень краси́вая! 「富士山はとっても美しい」
- Мне́ не́чего боя́ться! 「ぼくには怖いものなんかないよ」
- Я́ тебе́ та́к сказа́л! 「おれがそう言っただろうが」
- 命令文
- Сто́й! 「止まれ!」
- Молчи́! 「黙れ(黙ってろ)!」
- Возьми́ меня́ с собо́й! 「わたしを一緒に連れてって」
- Да здра́вствует Сове́сткий Сою́з! 「ソヴィエト連邦万歳!」
- Дава́й! 「さあ来い」「頑張れ」
- Пое́хали! 「行こう」
- 疑問文
- Ка́к?! 「何だと?」
- Уста́ла?! 「疲れただって?」
- Не по́нял?! 「わからなかっただと?」
- О́н коммуни́ст?! 「あいつ共産主義者なの?(マジで?)」「あいつが共産主義者だって?(バカも休み休み言え)」
- Почему́ ты́ не слу́шаешься ма́му?! 「なんでママの言うことを聞けないんだ」
- слушаться という動詞は生格を支配するから мамы になるはずだが、ここで対格になっているのは口語的表現。
上掲の例文は、あえて文法的に分類してみた。
言うまでもないが、こんな分類はできる必要ない。要するに、どんな文でも感嘆文になる、ということが理解していただければそれでいい。