ロシア語講座:初級

И06:比較級のつくり方

まず比較級のつくり方を確認しておこう。
 形容詞・副詞から比較級をつくる方法には数種類ある。

つくり方アクセント位置
パターンA語幹 + -ее短語尾女性形と同じ位置
パターンB語幹 + -е (語幹が変化)語幹末

 改めて確認しておくと、語幹とは格変化しない部分のことである。たとえば、

形容詞по́лныйкраси́выйживо́й
по́лнаякраси́ваяжива́я
по́лноекраси́воеживо́е
по́лныекраси́выеживы́е
副詞по́лнокраси́вожи́во
語幹полн-красив-жив-

なお、念のために言っておくと、語幹と短語尾男性形は必ずしもイコールではない。その最大の要因は、出没母音の存在である。

 この語幹に、-ее ないし -е をつけることで比較級が出来上がる。ただし、パターンAとパターンBとの2種類があり、どの単語がどちらの変化をするか、ひとつひとつ辞書で確認するしかない。

#189 比較級の語尾は2通りある。単語ごとに、片方しかないものもあれば、意味が違うもの、使い方が違うもの、文体が違うもの、等々。

#190 -ее 型比較級は、語幹は変化しないが、アクセント位置は形容詞短語尾女性形と同じ。いわば «規則変化» で、多くの比較級がこちら。

#191 -е 型比較級は、語幹は変化するが、アクセント位置は必ず語幹末。いわば «不規則変化» で、使用頻度の高い比較級は大抵こちら。

パターンA

  1. 語幹+-ее。
  2. アクセントの位置は形容詞短語尾女性形に等しい。

 以下、例を挙げる。

 パターンBが特殊であって、大部分の形容詞がパターンAの変化をする。その意味では、パターンAを «規則変化»、パターンBを «不規則変化» と呼んでもいいかもしれない。このため、パターンAの変化をする比較級は、辞書にはいちいち載っていないことが多い。

パターンB

  1. 語幹+-е。
    • 語幹末尾の子音が交替する。
  2. アクセントの位置は語幹末。

 以下、例を挙げる。

 同じ単語で、パターンA(-ее)とパターンB(-е)両方の変化をするものがある。

このような場合、それぞれでニュアンス、用法などの違いがある。文体論で言うと、パターンA(-ее)は文語的、パターンB(-е)は口語的。とはいえ、単語ごとに使い分けられているので、ひとつひとつ確認しなければならない。

口語的表現

 パターンA(-ее)は、口語では崩れて -ей となることがある。

 特に口語に頻繁に見られるのが、接頭辞 по-。動詞の場合と同じく、「ちょっと」という意味をつけ加える。

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最終更新日 07 11 2017

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