Ж07:不定数詞
こんな文法用語を覚える必要はないが、次のような単語がロシア語文法では数詞扱いされる、ということは知っておいた方がいいかもしれない。
- мно́го 多く
- немно́го 多少
- ма́ло 少ない : 基本的に「少ししかない」という否定の意味で用いる。
- нема́ло 少なからぬ
- ско́лько いくつ・どの位
- не́сколько いくつか
不定数詞の使い方は単純だ。
- 単独で用いることも可能。
- 形容詞・名詞と結合する場合、
- 形容詞・名詞の前に置かれる。
- 形容詞・名詞は生格。
- 数えられる名詞は複数。
- 数えられない名詞は単数。 ⇒ これだけ個数詞と違う!
個数詞は「1」、「2」、「3」、、、であるから、言うまでもなく、数えられる名詞としか結合しない。ところが不定数詞は、別に数を数えるわけではないので、数えられない名詞と結合することも可能である。
「学生がたくさん」と言えば、それは複数の学生を意味する。ところが「水がたくさん」と言った場合、「水」を数えることはできないから、複数の水ではなく単数の水である。ゆえに、
- мно́го студе́нтов ⇒ студентов は複数生格
- мно́го воды́ ⇒ воды は単数生格
となる。
このように、不定数詞は、個数詞と同じように、名詞の生格と結合する。ただしそれが単数か複数かは、名詞の意味や用法による。
- мно́го наро́ду ⇒ народу は単数生格(不規則語尾)。ゆえに意味は「多くの人々」。
- мно́го наро́дов ⇒ народов は複数生格。ゆえに意味は「多くの国の国民 ≒ 多くの民族」。
この理屈は、数量を意味する名詞でも同じことである。
- *ча́сть студе́нта ⇒ 「1人の学生の一部」という意味であり、これではバラバラ殺人事件である
- ча́сть студе́нтов ⇒ 「学生たちの一部」
#143 不定数詞と結合する名詞が単数か複数かは、意味による。
- О́н зна́ет мно́го. 「かれは多くのことを知っている」
- В ко́мнате сиде́ли немно́го студе́нтов. 「部屋の中には数人の学生がいた」
- У на́с ма́ло воды́. 「水は少ししかない」
- Ско́лько э́то сто́ит? 「これいくら?」
- В библиоте́ке чита́ли не́сколько студе́нтов. 「図書館では何人かの学生が本を読んでいた」