Е35:II 式 15
ста́вить(不完) ⇔ поста́вить(完)
- 対格を立てる(立てた状態で置く・据える・設置する・しまう・入れる)
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | ста́влю | ста́вил | |
女 | ста́вила | |||
ты | 男 | ста́вишь | ста́вил | ста́вь |
女 | ста́вила | |||
он | 男性名詞 | ста́вит | ста́вил | ||
она | 女性名詞 | ста́вила | |||
оно | 中性名詞 | ста́вило | |||
мы | ста́вим | ста́вили | ||
вы | ста́вите | ста́вьте | ||
они | 名詞の複数形 | ста́вят |
по́лка(女性名詞)棚(棚板)
посу́да(女性名詞)食器 ※基本的に集合名詞的な使い方をするので、単数。
гара́ж(男性名詞)ガレージ
Ю́ля(女性名詞)女性名 Ю́лия の省略形
ча́йник(男性名詞)きゅうす・ティーポット、やかん
духо́вка(女性名詞)オーブン
- На сто́л посу́ду ста́влю я́. 「食卓に食器を出すのはわたしだ」
- ロシア語の感覚として、「あるべき状態で存在している」は「立っている」である。「横たわっている」はしばしば「使えない状態にある」とイコールである。だから「食器を出す」のも、「横たえる」という動詞ではなく「立てて置く」を意味する ставить を使う(もっとも「横たえる」を使っていけないわけではない)。
- ставить は「どこそこへ」。だから на стол であって、на столе ではない。この点間違えないように。
- О́н поста́вил цветы́ на окно́. 「かれは花を窓に置いた」
- на という前置詞は「表面上」を意味するから、на окно は「窓の表面上」を意味するように思われる。しかし考えてみると、窓は表面を持たない。表面を持つのは、窓にはめられたガラスや板である。窓というのは、壁に空いた穴である。よって на окно は「窓敷居の上」を意味する。
- Поста́вь кни́ги на по́лку. 「本は本棚にしまいなさい」
- Я́ша поста́вил маши́ну в гара́ж. 「ヤーシャは車をガレージに入れた」
- Ю́ля поста́вила ча́йник на ого́нь. 「ユーリャはやかんを火にかけた」
- Я́ сде́лала пиро́г и поста́вила его́ в духо́вку. 「わたしはピローグをつくると、オーブンに入れた」
оста́вить(完) ⇔ оставля́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格を残す・残して去る・置いて去る・置き忘れる
лу́чшее(中性名詞)より良いもの ⇐ лу́чший(形容詞)より良い ※хоро́ший の比較級
- Му́ж оста́вил дете́й у жены́. 「夫は妻のもとに子供たちを残した(残して単身赴任した/離婚した/旅行に行った)」
- Я́ оста́вил де́ньги до́ма. 「わたしはお金を家に置いてきた/忘れてきた」
- Не оставля́йте маши́ну на у́лице. 「車を道に停めっぱなしにしないでください」
- ставить は「どこそこへ」だが、оставить は「どこそこで」。だから на улицу ではなく на улице。ставить と оставить に限らず、в|на+対格なのか前置格なのか、дома なのか домой なのか、この違いには敏感になっておこう。
- Ма́ма всегда́ оставля́ет мне́ у́жин. 「ママはいつも(出かける前に)ぼくに夕飯をつくっておいてくれる」
- Его́ ру́сский язы́к оставля́ет жела́ть лу́чшего. 「かれのロシア語には改善の余地がある/まだまだ不十分だ/もっと良くなる」
- оставлять желать лучшего で「改善の余地がある」と覚えておくのがいい。
предста́вить /прецтавить/(完) ⇔ представля́ть /прецтавлять/(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格を提出する
- 対格を紹介する
- 対格を想像する・思い浮かべる ※この意味では себе とともに使われる。
- представлять(不完)のみ
- 対格・従属文を理解する
- 対格である ※主に性質・形状を言う場合。この意味では собой とともに使われる。
- 対格を代弁・代表する
※представле́ние(中性名詞)提出、上演・公演、理解
※представи́тель(男性名詞)代表・代理・スポークスマン(性不問)
отчёт(男性名詞)公式の報告(書)
разреши́те ⇐ разреши́ть(完) ⇒ разреша́ть(不完)許可する
колле́га(男性名詞/女性名詞)同僚(男性、女性、性不問)
земля́(女性名詞)大地・土地、地球
ша́р(男性名詞)球
- Предста́вьте отчёт до за́втра. 「明日までに報告書を提出してください」
- Разреши́те ва́м предста́вить на́шего но́вого колле́гу. 「新しい同僚をご紹介させていただきます」
- коллега はかなり変な名詞で、男性名詞でもあり女性名詞でもある。こういう名詞の分類、名称ははっきりせず、総性、両性、通性、双性などの用語が使われるが、そんな話はどうでもいい。
この手の名詞は、♂ を意味する場合は男性名詞、♀ を意味する場合は女性名詞として扱われる。つまり、この手の名詞は、固有の性を持っていないのだ。なお、♂ ♀ 別にどちらでもいい場合は女性名詞として扱われることが多いようだが、男性名詞として扱われる場合もある(用法に揺らぎが見られる)。
- коллега はかなり変な名詞で、男性名詞でもあり女性名詞でもある。こういう名詞の分類、名称ははっきりせず、総性、両性、通性、双性などの用語が使われるが、そんな話はどうでもいい。
- Сейча́с я́ себе́ представля́ю отца́ молоды́м. 「いま若い親父を思い浮かべてみているところだ」
- молодым は молодой「若い」の男性単数造格。「父を若いと想像する」というところ。このような場合、造格が用いられる。これも造格の用法のひとつである。
- Земля́ представля́ет собо́й ша́р. 「地球は球体である」
учи́ть(不完) ⇔ вы́учить|научи́ть(完)
- 対格に与格を教える
- 対格に動詞不定形することを教える
※учёба(女性名詞)学習・勉強
※уче́ние(中性名詞)教えること・学ぶこと
※уче́бный(形容詞)教育の・学習の
※уче́бник(男性名詞)教科書
※учени́к(男性名詞)生徒
※учёный(男性名詞)学者 ※形は形容詞なので、形容詞の格変化
※учи́лище(中性名詞)専門教育を授ける教育機関
※учи́тель(男性名詞)教師
※учи́тельница(女性名詞)教師
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | учу́ | учи́л | |
女 | учи́ла | |||
ты | 男 | у́чишь | учи́л | учи́ |
女 | учи́ла | |||
он | 男性名詞 | у́чит | учи́л | ||
она | 女性名詞 | учи́ла | |||
оно | 中性名詞 | учи́ло | |||
мы | у́чим | учи́ли | ||
вы | у́чите | учи́те | ||
они | 名詞の複数形 | у́чат |
- Я́ учу́ дете́й ру́сскому языку́. 「わたしは子供たちにロシア語を教えています」
- Меня́ чита́ть учи́ла ба́бушка. 「わたしに読み方を教えてくれたのはお婆ちゃんです」
- Дурака́ учи́ть, что мёртвого лечи́ть. 「バカに教えるのは死人を治すようなものだ」=「バカは死ななきゃ治らない」
- 文法的には中級レベルのものが含まれているので、とりあえずいまはことわざとしてこのまま丸暗記しよう。
余談だが、учить は言うならば「教授する」という意味である。日本語で日常的に使われる「教える」とは対応していない、と思った方がいい。「ねー、ねー、教えてよ。誰が好きなの?」とか「スカイツリーへの行き方、教えてもらえる?」という場合の「教える」は、ロシア語では сказать「言う」や показать「示す」などである。
учи́ться(不完) ⇔ вы́учиться|научи́ться(完)
- 与格を学ぶ
- 動詞不定形すること(する仕方)を学ぶ
※уча́щийся(男性名詞)教育機関で学んでいる人 ※形は形容詞なので、形容詞の格変化
четы́ре(数詞)4
- Я́ учу́сь. 「わたしは生徒・学生です」
- Я́ учу́сь в университе́те. 「わたしは大学生です」
- Где́ ты́ у́чишься? 「きみはどこで学んでるの?」≒「きみはどこの学校に通ってるの?」
- Мо́й сы́н хорошо́ у́чится. 「うちの息子はよく勉強する」
- Ка́к до́лго вы́ у́читесь ру́сскому языку́? 「ロシア語はどのくらい(長く)学んでらっしゃいますか?」
- Ру́сскому языку́ я́ учи́лся в университе́те четы́ре го́да, но та́к и не научи́лся. 「ロシア語は大学で4年間学んだが、結局マスターできなかった」
- четыре года で「4年」。1) 数字と名詞の結合については、後ほど。2) この場合の четыре は対格。対格は、それだけで「〜の間」という期間を表す。
изучи́ть(完) ⇔ изуча́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 対格を学習・研究する
※изуче́ние(中性名詞)研究
- Я́ изуча́ю исто́рию в университе́те. 「わたしは大学で歴史を研究しています」
- Ка́к вы́ изуча́ете ру́сский язы́к? 「ロシア語はどうやって勉強してますか?」
- Я́ изучу́ ру́сский язы́к до оконча́ния университе́та. 「大学を卒業するまでにロシア語をマスターしてやる」
さまざま似た意味の単語があるので、区別しづらいと思う。単純に図式化しておくと、以下の通り。まずは教育機関について。
- 学校 : уче́бное заведе́ние
- 初等・中等教育機関
- 最も一般的な学校 : шко́ла
- 専門学校 : учи́лище
- 高等教育機関 : ву́з
- 四年制総合大学 : университе́т
- 教育制度外の専門学校 : учи́лище
- 初等・中等教育機関
учебное заведение は文字通り「教育機関」という意味で、日常会話で使われることはまずない。そういう意味では、日本語の「学校」に相当する言葉はロシア語に存在しないと思ってもいい。
школа は、日本の小学校・中学校・高校に相当する。ロシアでは一貫教育が基本なので、小学校・中学校・高校を区別しない。
университет は、本来はあくまでも四年制の総合大学のことである。ロシアには университет 以外の大学もあるから、日本語の「大学」に相当するのは вуз である。
училище は、いわゆる専門学校もそうだし、たとえば教習所だとか訓練学校などの類もそうだ。
次に教育機関で学んでいる人について。
- 学んでいる人 : уча́щийся
- 初等・中等教育機関で学んでいる人 : учени́к
- школа で学んでいる人 : шко́льник
- 高等教育機関で学んでいる人 : студе́нт
- 初等・中等教育機関で学んでいる人 : учени́к
ロシア語では студент と言えばそれは вуз の学生である。школа や училище の学生のつもりで студент と言うと、ロシア人に変な顔をされる。と言うか、ロシア人には別の人の話と思われるかもしれない。
учащийся とは、文字通りに「学んでいる人」という意味である。だから、別に教育機関に通っていなくても構わない。独学だろうがテレビやラジオを通じてだろうが、個人教授を受けていようが、学んでいる人はなべて учащийся である。
ある意味これ以上に重要なのが、учиться と изучать の使い分けだろうが、いまの段階では次のように理解しておくのがいい。
- 「どこで」を言う場合 : учиться
- 「何を」を言う場合 : изучать
なぜなら、多くの日本人が учиться を「対格を学ぶ」と勘違いするからである。учиться は「与格を学ぶ」だ。учиться の使い方をしっかり正確に覚える、というのは大前提ではあるが、同時に混乱を避けるために、「〜を学ぶ」と言いたい場合には изучать+対格を使っておくのが無難であろう。
また、учить および учиться に対応する完了体動詞はどれを使えばいいかだが、とりあえずは научить、научиться を使っておこう。научить、выучить、さらには обучить も含めて、微妙な使い方やニュアンスの違いがあるが、それを理解し使いこなすのはもう少し上のレベルでいい。これは научиться、выучиться、обучиться も同じことである。まだいまの段階でそこまで把握できる必要はない。少なくとも、日常会話のレベルではそもそも完了体動詞を使う機会自体が少ないはずである。