Е28:II 式 8
встре́тить(完)
⇔ встреча́ть(不完) 変化形式は I 式規則変化
- 対格に会う(出くわす・遭遇する、出会う、出迎える)
※встре́ча(女性名詞)出会い、会見・会合、出迎え、試合
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | встре́чу | встре́тил | |
女 | встре́тила | |||
ты | 男 | встре́тишь | встре́тил | встре́ть |
女 | встре́тила | |||
он | 男性名詞 | встре́тит | встре́тил | ||
она | 女性名詞 | встре́тила | |||
оно | 中性名詞 | встре́тило | |||
мы | встре́тим | встре́тили | ||
вы | встре́тите | встре́тьте | ||
они | 名詞の複数形 | встре́тят |
Га́ля(女性名詞)女性名 Гали́на の省略形
неожи́данно(副詞)思いがけず
бы́вший(形容詞)元の・以前の・かつての・旧〜
Ва́ля(男性名詞/女性名詞)男性名 Валенти́н、男性名 Вале́рий、女性名 Валенти́на、女性名 Вале́рия その他の省略形
иностра́нный(形容詞)外国の
- Я́ иногда́ встреча́ла его́ в библиоте́ке. 「わたしは図書館で時々かれに会った」
- Га́ля неожи́данно встре́тила своего́ бы́вшего му́жа. 「ガーリャは思いがけず別れた夫に会った」
- Ва́ля на пути́ встре́тил широ́кую ре́ку. 「ヴァーリャは途中で大河に出くわした」
- Тогда́ я́ ва́с встре́чу на аэропорту́. 「ではわたしがあなたを空港までお出迎えにあがります」
- 直訳すれば、「空港で会います」。
- Сего́дня мы́ ча́сто встреча́ем в газе́тах иностра́нные слова́. 「こんにち新聞でしばしば外国語を見かける」
- Ка́к вы́ япо́нцы встреча́ете Но́вый го́д? 「あなた方日本人は新年をどう迎えていますか?」
- 文法的な話はともかく、この場合 японцы は вы を言い換えている形になるが、主語はあくまでも вы。なので動詞の変化も японцы ではなく вы に対応した形になっている。
встре́титься(完) ⇔ встреча́ться(不完) ※不完は I 式規則変化
- (複数の主語がお互いに)会う(出くわす・遭遇する、出会う)
- (単数の主語が)с+造格と会う(出くわす・遭遇する、出会う)
после́дний(形容詞)最後の
※после́днее вре́мя で「最近」
ма́ло(副詞)少ししか〜ない(肯定文を否定の意味にする)
- Мы́ где́-то встреча́лись? 「どこかでお会いしたことがありますか?」
- 過去の事実確認(会ったことがあるかないか)をしているので、不完了体動詞 встречались を使う。
- Когда́ мы́ сно́ва встре́тимся? 「今度はいつ会う?」
- После́днее вре́мя мы́ не встреча́лись. 「わたしたちはこのところ会っていなかった」
- О́н ма́ло со мно́й встреча́ется. 「かれはあまりわたしと会ってくれない」
- с мной とはロシア人も発音しづらいのか、母音を挿入して со мной。
辞書のやるべきことだが、多くの人が戸惑う встре́тить と встре́титься の違いについて(-ся があるかないかの違い)。
端的に言うと、встре́тить は「誰が」のみの行動であり、「誰と」は受動的存在。これに対して встре́титься は「誰が」も「誰と」もどちらも能動的に会う行動をしている。
1. Я́ иногда́ встреча́ла его́ в библиоте́ке.
では、会うための行動をしているのは「わたし」だけである。だからもしかしたら「わたし」と「かれ」は会っているのではなく、「わたし」が「かれ」を見かけているだけかもしれない。これに対して
2. Я́ иногда́ встреча́лась с ни́м в библиоте́ке.
と言った場合、「わたし」も「かれ」も、どちらも会うための行動をしている。だからこちらは、どちらかがどちらかを見かけているだけ、ということはあり得ない。つまりこの文は、
3. Мы́ иногда́ встреча́лись в библиоте́ке.
4. Мы́ иногда́ встреча́лись друг с дру́гом в библиоте́ке.
と同義である。
改めて確認すると、たとえばわたしがよく行く図書館で、気になる男の子を時々見かけることがある、というような場合は 1. である。もちろん、見かけるだけではなく言葉を交わすこともあるかもしれない。多少なりとも親しくなったかもしれない。それでも、かれの側に「会う」という自主的行動がなければ、やはり 1. である。しかし、さらに親しくなって「じゃあ今度は日曜日にまたこの図書館で会おうよ」というようなことをかれに言われたとしたら、それは 2. になる。
逆に、かれの側が、いつも行く図書館で可愛い女の子を見かけるから、ということで意図的にわたしに会いに図書館に通っているが、わたしの方にはそんな意識はない、というような場合でも 1. である。上記の説明とは逆になってしまうが、「誰が」が受動的存在であり、「誰と」の方が能動的に行動していることになるが、いずれにせよ一方的な行為という点に変わりはない。
だから、「わたしたちはいつも図書館でデートしていた」というような場合は встре́титься でなければならない(と言うか、「いつも」であるから不完了体の встреча́ться)。
встре́тить に「出迎える」という意味がある一方で встре́титься にはそのような意味がないのも、このように考えれば当然のことであろう。「出迎える」というのは「誰が」の能動的な行動であって、「誰を」の方はあくまでも受動的な存在でしかない。
なお、どちらも受動的な存在である場合、つまり「誰が」も「誰も」もともに偶然ばったり意図せずに出会った、というような場合はどちらも使える。
вступи́ть(完)
⇔ вступа́ть(不完) 変化形式は I 式規則変化
- 入る(比喩も含めて)
※ступи́ть(完) ⇔ ступа́ть(不完)踏み出す・歩む
※ступе́нь(女性名詞)ステップ、レベル
※вступле́ние(中性名詞)入ること
主語 | 現在形 | 過去形 | 命令形 | |
---|---|---|---|---|
я | 男 | вступлю́ | вступи́л | |
女 | вступи́ла | |||
ты | 男 | всту́пишь | вступи́л | вступи́ |
女 | вступи́ла | |||
он | 男性名詞 | всту́пит | вступи́л | ||
она | 女性名詞 | вступи́ла | |||
оно | 中性名詞 | вступи́ло | |||
мы | всту́пим | вступи́ли | ||
вы | всту́пите | вступи́те | ||
они | 名詞の複数形 | всту́пят |
эта́п(男性名詞)段階
разви́тие(中性名詞)発展
США(略号・複数名詞)アメリカ合衆国 ※特殊な読み方をする /сэ ше а́/
КПСС(略号・女性名詞)ソ連共産党 ※そのまま読むが、アクセントは最後の音節に置かれるので、/ка пэ эс э́с/
- О́н вступи́л в ле́с. 「かれは森に足を踏み入れた」
- Челове́к вступа́ет в но́вый эта́п разви́тия. 「人類は発展の新たな段階に入りつつある」
- 不完了体動詞なので、まだ「入る」という行為は完結していない(目的が達成されていない)。つまり、まだ人類は新たな段階に「入りきってはいない」。言うならば、半歩踏み出した・踏み入れたところ。
- В 1941 г. Япо́ния вступи́ла в войну́ с США. 「1941年、日本はアメリカ合衆国との戦争に突入した」
- 完了体動詞なので、すでに「入る」という行為は完結してしまった。つまり、もう日本はアメリカとの戦争に突入してしまった。
- 1941年という言い方は、後で。
- с США は、当然 с+造格である。США は造格なのだが、これは格変化できない名詞なので、そのまま。
- Вступа́йте в КПСС. 「ソ連共産党に入党しなさい」
вы́ступить(完) ⇔ выступа́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 発言する・登壇する・出演する
※выступле́ние(中性名詞)発言・演説、出演・出場・演技
ми́тинг(男性名詞)集会・会合 ※英語の meeting
печа́ть(女性名詞)印刷・出版、印刷物・出版物(新聞・雑誌・本その他)
ро́ль(女性名詞)役
сле́дующий(形容詞)次の
гастро́ли(複数名詞)客演公演
- Я́ вы́ступила на ми́тинге. 「わたしは集会で発言した」
- О́н ча́сто выступа́ет в печа́ти. 「かれはしょっちゅう新聞や雑誌に(意見が)載る」
- Кто́ бу́дет выступа́ть в ро́ли Гамле́та на сле́дующих гастро́лях? 「次の客演公演では誰がハムレット役で出演するんだろう?」
- ロシア語には /h/ という音も、それを表す文字も存在しない。そこで、外国語の /h/ を、古くは г で代用した。近年では х で代用することも増えている。確認しておくが、この場合の代用は単に文字だけの話ではなく、音も、である。ゆえに Иокогама は「ヨコハマ」ではなく「ヨコガマ」。Гитлер は「ヒトラー」ではなく「ギトレル」。
поступи́ть(完) ⇔ поступа́ть(不完) ※不完は I 式規則変化
- 行動する・振舞う
- 入学・入社する
※посту́пок(男性名詞)振舞い・態度
※поступле́ние(中性名詞)入学・就職
ве́жливо(副詞)礼儀正しく・丁重に
- Поступа́й ве́жливо. 「礼儀正しく振る舞いなさい」
- Я́ поступа́л в университе́т два́ ра́за, но та́к и не поступи́л. 「わたしは2度大学を受験したが、結局入学できなかった」
- 以前にも出てきた «結果達成動詞» の用法。完了体動詞がある結果の達成を意味し、不完了体がその結果達成にいたる過程を示す。不完了体動詞 поступать をここでは「受験」と訳したが、要するに「поступить しようとした」ということである。