ロシア連邦の紋章

ロシア連邦の紋章

双頭の鷲の復活である。
 これで、ロシアの紋章としての双頭の鷲には3バージョンが存在することになった。ひとつは帝政時代のもの。もうひとつは臨時政府時代のもの。そして現在の紋章である。
 現在の紋章は、基本的には帝政ロシアの紋章を踏襲しているが、ドイツ風の金地に黒ではなく、赤地に金の «パライオロゴスの鷲» である。

 1990年、新たな国旗と紋章を策定する委員会が設置される(国歌はすでに決まっていた)。
 三色旗を復活させることではほぼ即座に意見の一致を見たし、ソヴィエト・ロシアの紋章を流用することもまったく新たな紋章をつくることも非現実的である点でも意見の一致を見た。しかし、かと言って双頭の鷲を復活させることに対する反対も強く(当時はまだソ連が健在だったことを忘れてはいけない)、協議は難航した。一応双頭の鷲を復活させるとの提案が委員会から政府になされたが(この時点ですでに «パライオロゴスの鷲»)、政府もこの提案を実施するのには慎重だった。
 1991年の «八月プッチ» によって事態は加速する。三色旗は即座に復活(ただし一時的措置とされた)。双頭の鷲を復活させる作業も進められたが、こちらは具体的な図柄をどうするかを、紋章学的な見地からも検証する必要があり、非常に難航した。

 実際には、ロシアの紋章はソ連崩壊後もしばらくソ連時代のもの(ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国の紋章)が流用されていたが、1993年、最終的に大統領令により変更された。

 2000年に制定された法律 «ロシア連邦の国家の紋章について» には、形状、色などがこまかく規定されている。
 ここで引用するのもばからしいので、関心がある方は、ロシア政府の公式ホームページ(のひとつ)に法律の全文が掲載されているので、そちらを参照していただきたい。

 いくつかの特徴を挙げておくと、まず鷲は口を開けて舌を出しており(«武装せる鷲»)、翼を広げ、3つの王冠を戴き、スキーペトル(王笏)とデルジャーヴァ(上に十字架のついた球)を両肢でつかんでおり、胸にモスクワの紋章が描かれている。これらの諸点は、いずれも帝政ロシアの紋章を踏襲している。
 なお、胸に描かれる «モスクワの紋章» の詳細については、モスクワ大公の紋章について説明したページを参照のこと。

ロシア連邦の紋章 © ロシア政府公式サイトОФИЦИАЛЬНАЯ РОССИЯロシア連邦の紋章

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最終更新日 17 01 2013

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