ロマーノフ家人名録

学術的なものではない。しかも二次史料に依拠したものがほとんどなので、食い違いが目立つ。

凡例

凡例
名前、原語表記
名前はロシア語によるフルネームをカタカナ表記する。
 原語表記はロシア語によるフルネームをロシア文字表記する。ただし、外国出身でロマーノフ家の人間と結婚した者については、出身国の言語による表記を優先する。
肩書き
すべての肩書きを網羅することは不可能なので(筆者の能力的に)、とりあえず“ロマーノフ家人名録”として必要と思われるものを優先した。なお、“殿下”のたぐいの“尊称”は一切略した。
 なお、年数表示については原則として次のとおり。すなわち、生まれながらの肩書きには「〜から」は示さない。またその死まで保持した肩書きについては「〜まで」は示さない。つまり、「〜まで」が示されている場合は、途中でその肩書きを失ったということになる。上記の例では(見づらいが)、ピョートル3世は1762年に死んでいるが、ロシア皇帝の肩書きは1762年までと示されている。これはすなわち、死ぬ前にロシア皇帝の肩書きを失ったことを意味している。
 また、帝政時代には皇室関係の称号の最初の文字は大文字とされたが(例えば Император)、ソ連時代には廃れた(同 император)。ソ連崩壊後帝政時代の慣習が復活してきたようだが、ここでは原則的に、文法的に大文字とすべき場合を除き小文字で表記する。例外は、Московский, Всероссийский, Польский, Финляндский 等、固有名詞からつくられた形容詞(文法的にはこれらも小文字)。
 さらに、ロシア以外の国の肩書きについては適当。
生没年月日、場所
これに関しては問題が多い。そもそも日付などというものは、特に古い時代についてははっきりしないのが当然で、何もロシアに限ったことではない。たとえば夜中に誕生・死亡した場合など、19世紀・20世紀においても史料によって日付が1日ずれるのは仕方ないだろう。
 さらにロシアの場合、1918年までユリウス暦を使用していたという特殊事情もある(これについては、ロシア暦について論じたこちらのページを参照)。史料によって明確にユリウス暦、グレゴリウス暦とわかる場合とわからない場合があるし、「本書ではロシア暦を使っている」と明記してある場合でも、どう考えてもグレゴリウス暦としか思えない日付が使われていることも多々ある。同じ史料の中で両者がごちゃまぜになっているのは日常茶飯事だ。
 これらの問題点に関し、すべて一次史料にあたって確認することもできないしするつもりもないしする意味もないと思うので、適当に筆者の判断で表記した。異説があり得ることは理解しておいてほしい。
 なお、ここではこの点を明確にするため、生没年月日はすべて(外国人であっても)、ユリウス暦とグレゴリウス暦をこの順番で併記した。言うまでもないが、1582年以前に関してはユリウス暦のみ、1918年以降に関してはグレゴリウス暦のみを記している。
 生まれ没した場所に関しても似たようなことが言える。
両親
原則として、父親にはその肩書き、母親にはその父親を付記した。
配偶者、愛人
愛人に関しては種々問題があるが、一応真偽は問わず、著名な者のみを挙げた。
背景色は、水色が男子、桃色が女子を示す。
 私生児は愛人以上にその信憑性に問題があると思われる。私生児と噂された者をすべて挙げているとキリがないので、ここでは原則として私生児は省略した(気紛れで記載した場合もある)。
 なお、名、生没年、結婚(年)、結婚相手、(結婚相手の)生没年、その親・肩書き、に関しては説明の要はあるまい。ただ、「その親・肩書き」の場合、どちらを記載するかはその時の気分次第。
 最後の身分というのは、肩書きだけではどんな階級の人間かがわかりにくいと思い、載せた。ようは貴族か平民か、だが、アレクセイの子の代までは“ロシア貴族”もさらに細かく分類したが、それ以降は一括して“ロシア貴族”としてある。
 “ドイツ諸侯”というのは神聖ローマ帝国の領邦君主のこと。“ドイツ貴族”というのは“陪臣貴族”を指す(ゆえに貴賎結婚)。なお、ホーエンツォレルン家とハプスブルク家は“ドイツ諸侯”とした(たとえドイツ皇帝や神聖ローマ皇帝であっても)。
 “君主”というのは“君主の家系の出”ということ。
評伝
評伝はテキトー。言うまでもないが、筆者の主観による(事実関係も含めて)。
 なお、叙述の重複を避けている。つまり、ある人物の評伝で説明した事柄は、別の人物の評伝では既知の事実として叙述して、改めて解説していない。そのため、下記リストのどれから読んでいただいても構わないが、できるなら時系列上古い順から読んでいただくのがいいだろう。

人名録リスト

人名一覧系図からもアクセスできる。

アンドレイ・コブィラフョードル・コーシュカイヴァン・コーシュキンザハーリイ・コーシュキンヤーコフ・コーシュキンヴァシーリイ・ザハーリインピョートル・ザハーリインユーリイ・コーシュキンミハイール・ザハーリインロマーン・ザハーリインダニイール・ロマーノヴィチニキータ・ロマーノヴィチ総主教フィラレート修道女マルファイヴァン・ニキーティチニキータ・イヴァーノヴィチアナスタシーヤ・ロマーノヴナグリゴーリイ・ザハーリインアレクサンドル・ベズズーベツコンスタンティーン・ベズズーブツェフフョードル・ゴルテャーイ
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 皇帝ピョートル1世エヴドキーヤ・ロプヒナーアレクセイ・ペトローヴィチソフィヤ・シャルロッタナターリヤ・アレクセーエヴナ皇帝ピョートル2世アンナ・モンスヴァルヴァーラ・アルセーニエヴァエヴドキーヤ・チェルヌィショーヴァマリーヤ・ガミリトンマリーヤ・ルミャーンツェヴァマリア・カンテミールアレクサンドル・メーンシコフ女帝エカテリーナ1世アンナ・ペトローヴナホルシュタイン=ゴットルプ公カール・フリードリヒ女帝エリザヴェータアレクサンドル・ブトゥルリーンアレクセイ・ラズモーフスキイニキータ・ベケートフイヴァン・シュヴァーロフ皇帝ピョートル3世女帝エカテリーナ2世エリザヴェータ・ヴォロンツォーヴァセルゲイ・サルトィコーフスタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキグリゴーリイ・オルローフアレクサンドル・ヴァシーリチコフグリゴーリイ・ポテョームキンピョートル・ザヴァドフスキイセミョーン・ゾーリチイヴァン・リムスキイ=コールサコフアレクサンドル・ランスコーイアレクサンドル・エルモーロフアレクサンドル・ドミートリエフ=マモーノフプラトーン・ズーボフアレクセイ・ボーブリンスキイエリザヴェータ・テョームキナ
 皇帝パーヴェルナターリヤ・アレクセーエヴナ大公妃皇妃マリーヤ・フョードロヴナエカテリーナ・ネリードヴァアンナ・ロプヒナー皇帝アレクサンドル1世皇妃エリザヴェータ・アレクセーエヴナマリーヤ・ナルィシュキナコンスタンティーン・パーヴロヴィチ大公アンナ・フョードロヴナ大公妃ジャンナ・グルジンスカヤパーヴェル・アレクサンドロフアレクサンドラ・パーヴロヴナ大公女オーストリア大公ヨーゼフ・アントンエレーナ・パーヴロヴナ大公女メクレンブルク=シュヴェリーン公フリードリヒマリーヤ・パーヴロヴナ大公女ザクセン=ヴァイマール大公カール・フリードリヒエカテリーナ・パーヴロヴナ大公女ゲオルク・フォン・オルデンブルクヴュルテンベルク王ヴィルヘルム1世アンナ・パーヴロヴナ大公女オランダ王ウィレム2世皇帝ニコライ1世皇妃アレクサンドラ・フョードロヴナマリーヤ・ニコラーエヴナ大公女マクシミリアン・ド・ボーアルネグリゴーリイ・ストローガノフ伯オリガ・ニコラーエヴナ大公女ヴュルテンベルク王カール1世アレクサンドラ・ニコラーエヴナ大公女ヘッセン方伯フリードリヒ・ヴィルヘルムミハイール・パーヴロヴィチ大公エレーナ・パーヴロヴナ大公妃マリーヤ・ミハイロヴナ大公女エリザヴェータ・ミハイロヴナ大公女ナッサウ公アードルフエカテリーナ・ミハイロヴナ大公女ゲオルク・フォン・メクレンブルク
 皇帝アレクサンドル2世皇妃マリーヤ・アレクサンドロヴナニコライ・アレクサンドロヴィチ大公皇帝アレクサンドル3世皇妃マリーヤ・フョードロヴナ皇帝ニコライ2世皇妃アレクサンドラ・フョードロヴナオリガ・ニコラーエヴナ大公女タティヤーナ・ニコラーエヴナ大公女マリーヤ・ニコラーエヴナ大公女アナスタシーヤ・ニコラーエヴナ大公女皇太子アレクセイゲオルギイ・アレクサンドロヴィチ大公クセーニヤ・アレクサンドロヴナ大公女ミハイール・アレクサンドロヴィチ大公ナターリヤ・シェレメーティエフスカヤゲオルギイ・ブラーソフオリガ・アレクサンドロヴナ大公女ヴラディーミル・アレクサンドロヴィチ大公マリーヤ・パーヴロヴナ大公妃キリール・ヴラディーミロヴィチ大公ヴィクトリヤ・フョードロヴナ大公妃マリーヤ・キリーロヴナ公妃キーラ・キリーロヴナ公女ヴラディーミル・キリーロヴィチ公レオニーダ・バグラティオーン=ムフランスカヤ公女マリーヤ・ヴラディーミロヴナ公女ボリース・ヴラディーミロヴィチ大公ジナイーダ・ラシェフスカヤアンドレイ・ヴラディーミロヴィチ大公マティリダ・クシェシンスカヤヴラディーミル・クラーシンスキイエレーナ・ヴラディーミロヴナ大公女ギリシャ王子ニコラオスアレクセイ・アレクサンドロヴィチ大公アレクセイ・ベリョーフスキイセルゲイ・ベリョーフスキイマリーヤ・アレクサンドロヴナ大公女エディンバラ公アルフレッドセルゲイ・アレクサンドロヴィチ大公エリザヴェータ・フョードロヴナ大公妃パーヴェル・アレクサンドロヴィチ大公アレクサンドラ・ゲオルギエヴナ大公妃マリーヤ・パーヴロヴナ大公女スウェーデン王子ヴィルヘルムドミートリイ・パーヴロヴィチ大公ポール・イリインスキイディミトリ・イリインスキイマイクル・イリインスキイオリガ・カルノーヴィチヴラディーミル・パーレイ公イリーナ・パーレイ公女ナターリヤ・パーレイ公女ゲオルギイ・ユーリエフスキイ公アレクサンドル・ユーリエフスキイ公ゲオルギイ・ユーリエフスキイ公オリガ・ユーリエフスカヤ公女エカテリーナ・ユーリエフスカヤ公女
 コンスタンティーン・ニコラーエヴィチ大公アレクサンドラ・イオシフォヴナ大公妃アンナ・クズネツォーヴァニコライ・コンスタンティーノヴィチ大公ナデージュダ・ドレイエルアルテーミー・イスカンデルアレクサンドル・イスカンデルキリール・アンドローソフナターリヤ・アンドローソヴァオリガ・コンスタンティーノヴナ大公女ギリシャ王ゲオルギオス1世ヴェーラ・コンスタンティーノヴナ大公女ヴュルテンベルク公オイゲンコンスタンティーン・コンスタンティーノヴィチ大公エリザヴェータ・マヴリーキエヴナ大公妃ヨアン・コンスタンティーノヴィチ公エレーナ・ペトローヴナ公妃フセーヴォロド・ヨアーノヴィチ公エカテリーナ・ヨアーノヴナ公女ガヴリイール・コンスタンティーノヴィチ公アントニーナ・ネステローフスカヤタティヤーナ・コンスタンティーノヴナ公女コンスタンティーン・コンスタンティーノヴィチ公オレーグ・コンスタンティーノヴィチ公イーゴリ・コンスタンティーノヴィチ公ゲオルギイ・コンスタンティーノヴィチ公ヴェーラ・コンスタンティーノヴナ公女ドミートリイ・コンスタンティーノヴィチ大公ヴャチェスラーフ・コンスタンティーノヴィチ大公
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 ミハイール・ニコラーエヴィチ大公オリガ・フョードロヴナ大公妃ニコライ・ミハイロヴィチ大公アナスタシーヤ・ミハイロヴナ大公女メクレンブルク=シュヴェリーン大公フリードリヒ・フランツ3世ミハイール・ミハイロヴィチ大公ゾフィーア・フォン・メーレンブルクアナスタシーヤ・ミハイロヴナナデージュダ・ミハイロヴナミハイール・ミハイロヴィチゲオルギイ・ミハイロヴィチ大公マリーヤ・ゲオルギエヴナ大公妃ニーナ・ゲオルギエヴナ公女クセーニヤ・ゲオルギエヴナ公女アレクサンドル・ミハイロヴィチ大公イリーナ・アレクサンドロヴナ公女フェリクス・ユスーポフ公アンドレイ・アレクサンドロヴィチ公ミハイール・アンドレーエヴィチ公アンドレイ・アンドレーエヴィチ公アレクシス公ピーター公アンドルー公フョードル・アレクサンドロヴィチ公ミハイール・フョードロヴィチ公ミシェル・ポール公ニキータ・アレクサンドロヴィチ公ニキータ・ニキーティチ公フョードル・ニキーティチ公アレクサンドル・ニキーティチ公ドミートリイ・アレクサンドロヴィチ公ロスティスラーフ・アレクサンドロヴィチ公ロスティスラーフ・ロスティスラーヴォヴィチ公ロスティスラーフ・ロスティスラーヴォヴィチ公ニキータ・ロスティスラーヴォヴィチ公ニコライ・ロスティスラーヴォヴィチ公ニコラス・クリストファー公ダニエル・ジョゼフ公ヴァシーリイ・アレクサンドロヴィチ公セルゲイ・ミハイロヴィチ大公アレクセイ・ミハイロヴィチ大公
オルデンブルク家 : ペーターニコラウスアレクサンダーペーターコンスタンティン
メクレンブルク家 : ゲオルク・アレクサンダーゲオルク・アレクサンダーゲオルク・アレクサンダーカール・ミヒャエル
ロイヒテンベルク家 : ニコラウジェーヌセルジュジョルジュニコラジョルジュアレクサンドル

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