- キエフ書簡
- ケインブリッジ文書のひとつ。ルーシ最古の文字史料。とはいえ書かれた言語は古代ヘブライ語。通説では、930年頃のキエフのハザール人ユダヤ教コミュニティから、別のユダヤ教徒コミュニティに宛てて送られたもの。ヤコブ・ベン・ハヌッカなる人物のための義捐金を募る内容である。
- キエフ・ルーシ
- 「キエフを中心とするルーシ」という程度の意味。厳密に言えば、882年にオレーグがキエフを征服してから、ということになるのだろうが、一般的に862年、リューリクがノーヴゴロド公になってからを指す。すでに12世紀にはキエフはルーシの中心地ではなくなっていたが、一応13世紀のモンゴルの襲来、および13世紀から14世紀にかけてリトアニアがベラルーシとウクライナを征服するまでをキエフ・ルーシの時代と呼んでいる。
- キュイ ツェーザリ
- 1835-1918。作曲家。«五人組» のひとり。とはいえ、作曲よりむしろ批評活動で知られた。
- 教会スラヴ語
- 古代スラヴ語の一形態で、正教会の典礼や文献で用いられたためにこの呼び名がある。キュリロスとメトディオスの母語である古代スラヴ語の南マケドニア方言を基につくられた «人工言語» であり、口語であったことはない。口語ではなかったが、徐々に地域的な違いが生じた。このため、教会スラヴ語をさらに、1100年頃までの全スラヴ共通の «古代教会スラヴ語» と、それ以降の各地の教会スラヴ語とに分けることもある。ロシアにおける教会スラヴ語(ロシア教会スラヴ語)は、世俗的には18世紀にロシア語(文章語)が一般化したため使われなくなった。他方で、正教会においては現在でも典礼言語として用いられている。ちなみに同じスラヴ人でも、カトリックでは教会言語はラテン語であり、教会スラヴ語は使われない。
- ギレリス エミール
- 1916-85。ピアニスト。オイストラフとともに、西側での演奏が認められた最初の音楽家のひとり。