裁判所
ロシア連邦における司法権は、一般的な司法裁判所、軍事裁判所、仲裁(調停)裁判所、および憲法裁判所に分類できる。
司法裁判所、軍事裁判所、憲法裁判所については詳述は必要あるまい。仲裁(調停)裁判所とは、経済機関の間の財産上の紛争を調停する特殊な裁判所である。
それぞれの最高機関は、最高裁判所(司法裁判・軍事裁判)、最高仲裁(調停)裁判所、憲法裁判所である。これらの裁判所の判事は、大統領が提案し、連邦ソヴィエトが任命する。任期は終身。
憲法裁判所は、中間審・下級審を持たない。ロシア連邦憲法についてはロシア連邦憲法裁判所が最高にして唯一の審判機関である。
各連邦構成主体には独自の憲法裁判所があるが、これは連邦の憲法裁判所には属さない。各連邦構成主体の憲法裁判所は、各連邦構成主体の憲法・規約に関してのみ判断を下す(各連邦構成主体には、それぞれの憲法、あるいは «規約» がある)。各連邦構成主体の憲法裁判所はロシア連邦憲法について審判することができないし、逆に各連邦構成主体の憲法・規約に関してはロシア連邦憲法裁判所が審判することはできない。
司法裁判所 | 軍事裁判所 | 調停裁判所 | 憲法裁判所 | |
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最高審 | 最高裁判所 | 最高調停裁判所 | 連邦憲法裁判所 | |
中間審 | 各連邦構成主体の裁判所 | 軍管区裁判所 | 各経済管区の連邦調停裁判所 | |
下級審 | 各都市・地区裁判所 | 各部隊の裁判所 | 各連邦構成主体の調停裁判所 |
検察庁
憲法上、司法権としてさらに検察庁も挙げられている。しかし仔細に見てみると、検察庁は司法機関には属さない。それどころか司法・行政・立法の三権から独立した存在である。
検事総長は大統領が提案し、連邦ソヴィエトが任命する。