ロシア連邦政府 Правительство Российской Федерации (Pravitel'stvo Rossiyskoy Federatsii) は、議長(首相)、議長代理(副首相)、大臣(閣僚)から成る。
首相
首相は、正式には «ロシア連邦政府議長 Председатель Правительства Российской Федерации (Predsedatel' Pravitel'stva Rossiyskoy Federatsii)» と呼ばれる。1993年までは «ロシア連邦閣僚会議議長»。
歴代首相
ソ連崩壊(1991/12/25)以後の歴代首相を挙げる。
就任 | 退任 | 氏名 | 生没年 | ||
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1992/06/15 | 1992/12/15 | ガイダール エゴール・ティムーロヴィチ | 代行(国家ドゥーマの承認得られず) | ||
1 | 1992/12/14 | 1998/03/23 | チェルノムィルディン ヴィクトル・ステパーノヴィチ | 1938-2010 | |
2 | 1998/03/23 | 1998/08/23 | キリエンコ セルゲイ・ヴラディレノヴィチ | 正式就任は 1998/04/24 | |
1998/08/23 | 1998/09/11 | チェルノムィルディン ヴィクトル・ステパーノヴィチ | 1938-2010 | 代行(国家ドゥーマの承認得られず) | |
3 | 1998/09/11 | 1999/05/12 | プリマコーフ エヴゲーニイ・マクシーモヴィチ | ||
4 | 1999/05/12 | 1999/08/09 | ステパーシン セルゲイ・ヴァディーモヴィチ | 正式就任は 1999/05/19 | |
5 | 1999/08/09 | 2000/05/07 | プーティン ヴラディーミル・ヴラディーミロヴィチ | 1952- | 正式就任は 1999/08/16 |
6 | 2000/05/07 | 2004/02/24 | カシヤーノフ ミハイール・ミハイロヴィチ | 正式就任は 2000/05/17 | |
2004/02/24 | 2004/03/05 | フリステンコ ヴィクトル・ボリーソヴィチ | 1957- | 代行(国家ドゥーマの承認得られず) | |
7 | 2004/03/05 | 2007/09/14 | フラトコーフ ミハイール・エフィーモヴィチ | 2004/05/07-12、2007/09/12-14 は代行 | |
8 | 2007/09/14 | 2008/05/08 | ズプコーフ ヴィクトル・アレクセーエヴィチ | 1941- | 2008/05/07-08 は代行 |
9 | 2008/05/08 | 2012/05/07 | プーティン ヴラディーミル・ヴラディーミロヴィチ | 1952- | |
2012/05/07 | 2012/05/08 | ズプコーフ ヴィクトル・アレクセーエヴィチ | 1941- | 代行 | |
10 | 2012/05/08 | メドヴェーデフ ドミートリイ・アナトーリエヴィチ | 1965- |
大統領との関係
政府は連邦議会ではなく大統領に責任を負う(ただし国家ドゥーマへの報告義務を有する)。
首相の任命権は大統領にある(ただし国家ドゥーマの承認が必要)。閣僚も、その提案権は首相にあるが、任免権は大統領にある。
また、内閣総辞職は大統領が決定する。
なお、大統領が不在の際には、首相が大統領代行を務める。現実に、エリツィン大統領が心臓手術を受けた1996年、エリツィン大統領が辞任した1999年から任期切れの2000年まで、それぞれ時の首相が大統領代行を務めている。
ただし大統領代行は、国家ドゥーマの解散、国民投票の実施、憲法修正・改正の動議はできない。
行政権の分担
憲法によれば、ロシア連邦における行政権は政府に属する。しかし現実には、大統領と政府とが分担している。
- 大統領管轄
- 内務省、非常事態省、外務省、国防省、司法省
- 対外諜報局、連邦保安局、連邦麻薬対策局、連邦警護局
- 首相管轄
- 保健省、文化省、教育科学省、天然資源・エコロジー省、工業商業省、地域開発省、通信報道省、農業省、スポーツ・観光・若者政策省、運輸省、財務省、経済開発省、エネルギー省
- 政府管轄
- 連邦宇宙局、その他
議会との関係
首相は大統領に任命されても、国家ドゥーマの承認が得られなければ正式に職務に就くことができない。過去、チェルノムィルディンとフリステンコのふたりが、このため首相になれずに終わっている。
歴代首相の表で、就任日と «正式就任» とがズレているのもこのためで、ここでは大統領の任命を «就任» としておいたが、法的には国家ドゥーマの承認を得た時点で正式に就任したことになる。
国家ドゥーマは内閣不信任を決議できる。
この場合、内閣(政府)や首相にはいかなる対応策もない。国家ドゥーマの内閣不信任に対応するのも大統領の仕事である。
大統領が内閣不信任を受け入れれば、内閣は総辞職に追い込まれる。大統領が内閣不信任を受け入れない場合、国家ドゥーマが再度内閣不信任を可決すると、大統領は内閣総辞職か国家ドゥーマ解散かを選択しなければならない。